ニュース概要
「いびきが大きい」「昼間に強い眠気がある」。よくある悩みですが、その裏に睡眠時無呼吸症候群(SAS)が隠れていることがあります。
SASは、眠っている間に呼吸がくり返し止まったり浅くなったりする状態です。日本では潜在的な患者さんが数百万人規模と推計されています。
日本循環器学会は2023年の改訂ガイドラインで、「睡眠」を心血管リスク因子の一つと位置づけました。SASは単なる睡眠の問題ではなく、循環器の病気とも深くつながっています。
京都市西京区・桂川エリアにお住まいの方でも、高血圧や不整脈で通院中の方の中に、気づかないSASが隠れていることは珍しくありません。
医学的背景
多いのは、のどの奥がふさがる「閉塞性」タイプです。呼吸が止まると血中の酸素が下がります。
すると体は交感神経を強く働かせ、夜間なのに脈が速くなり血圧が上がります。これが一晩に何十回もくり返されます。
心臓や血管は、休むはずの夜に働かされ続けます。この積み重ねが高血圧・不整脈につながると考えられています。
ガイドラインでは、SASの背景に高血圧・冠動脈疾患・脳卒中・心不全・心房細動・2型糖尿病があることが重視されています。
とくに、薬が効きにくい「治療抵抗性高血圧」の方にSASが隠れていることがあります。CPAP(睡眠中に鼻マスクから空気を送り、気道を支える治療)で血圧の改善が期待でき、1日4時間以上使えている方ほど効果が出やすいとされます。
ただし「SASを治せば降圧薬をやめられる」という意味ではありません。自己判断で薬を中止・減量しないでください。
検査の判定基準(AHI=1時間あたりに呼吸が止まる・浅くなる回数)
- AHI 5〜15未満:軽症
- AHI 15〜30未満:中等症
- AHI 30以上:重症
CPAPを保険で受けられるかには基準があります。2026年6月の診療報酬改定で基準が緩和され、現在は自宅の簡易検査でAHI 30以上なら外来のままCPAP導入が可能、精密検査(PSG)ではAHI 15以上が対象です(以前は簡易40以上/精密20以上)。全国共通の保険ルールですが、2026年6月改定時点の情報であり、適用可否は症状や検査結果を含む医師の総合判断によります。
日常生活で気をつけたいポイント
- 横向きで寝る工夫をする。 あお向けは舌がのどに落ち込みやすく、いびきが強まりがちです。
- 適正体重を意識する。 首まわりの脂肪は気道を狭めます。急な減量は不要ですが、少しずつの体重管理が助けになります。
- 就寝前のお酒を控える。 アルコールはのどの筋肉をゆるめ、無呼吸を悪化させます。
- 鼻づまりを放置しない。 花粉症や慢性の鼻炎があると口呼吸になりやすくなります。
- 血圧を家庭で測る習慣を。 とくに朝の血圧が高めの方は記録して受診時に見せましょう。
受診の目安
- 家族に「いびきが大きい」「寝ている間に息が止まる」と言われた
- 日中の強い眠気で、運転や仕事に支障が出る
- 朝の頭重感・熟睡感のなさが続く
- 健診で高血圧や不整脈を指摘された
- 降圧薬を飲んでも血圧が下がりにくい
上記に当てはまる方は、まず相談を。診断はご自宅でできる簡易検査から始められます。
まとめ
いびきや眠気は「疲れ」だけでなく、高血圧や心房細動につながるサインのことがあります。
睡眠時無呼吸は、正しく診断して対応すれば、日中の調子だけでなく心臓・血管への負担軽減も期待できます。気になる方は早めに相談しましょう。
※本記事は一般的な情報提供であり、個別の診断・治療に代わるものではありません。服薬の変更は自己判断せず、必ず主治医にご相談ください。
当院で相談できること
当院は循環器内科・一般内科として、高血圧や不整脈の管理とあわせて、睡眠時無呼吸が疑われる方のご相談にも対応しています。
当院では、自宅でできる簡易検査(簡易ポリソムノグラフィー)を実施しています。 小型の装置をお貸しし、ご自宅で一晩測定して後日結果をご説明します(入院不要)。結果に応じてCPAP導入・継続管理まで外来で対応でき、過去の検査結果をお持ちの方の再評価もご相談いただけます。
循環器内科の診療についてや生活習慣病の管理もご覧ください。
「いびきが気になる」「血圧が下がりにくい」という方は、お気軽にご相談・ご予約ください。WEB予約はこちら/アクセス・診療時間
所在地:京都府京都市西京区下津林南大般若町37番地 リペアス下津林2F(阪急桂駅・JR桂川駅・洛西口・桂川エリア)。クリニックトップページもあわせてどうぞ。
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引用文献・参考サイト
- 循環器領域における「睡眠呼吸障害の診断・治療ガイドライン」改訂で”睡眠”も心血管リスク因子に(ケアネット)
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020(日本呼吸器学会)
- CPAP療法が治療抵抗性高血圧などを改善する可能性(日本医事新報社)
- 高血圧と睡眠時無呼吸(心臓/J-STAGE)
- 【2026年6月施行】CPAP保険基準が緩和(PSGで20→15、簡易検査で40→30)(ひろつ内科クリニック)
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