漢方薬は自然由来でも副作用や飲み合わせがあります。当院では西洋医学的な診断と必要な検査を行い、舌・脈・腹部などの所見も参考に、症状と体調に合った処方を検討します。

当院の漢方診療

漢方薬は、複数の生薬を組み合わせた医薬品です。同じ症状でも、経過、体力、冷えやのぼせ、胃腸の状態、睡眠、発汗などによって適する処方が異なります。当院では西洋医学的な診断と検査を基本に、必要に応じて漢方医学の考え方を組み合わせます。

漢方薬だけにこだわらず、西洋薬と併用した方がよい場合、漢方薬が適さない場合、専門医による検査が必要な場合も含めて判断します。緊急性のある症状や、標準的な治療が確立している病気では、必要な検査・治療を優先します。

漢方薬を検討することがある症状

  • 冷え、ほてり、疲れやすさ
  • 胃もたれ、食欲不振、腹部膨満、便通の悩み
  • 頭痛、めまい、むくみ
  • 月経や更年期に伴う不調
  • 風邪の初期症状や長引く咳など
  • 検査で大きな異常がないものの、複数の症状が続く場合

これらは一例です。症状の原因によっては漢方以外の治療が優先されます。また、漢方薬の有効性を支持する研究の量や質は、処方や病気によって異なります。

診察で確認すること

症状の経過、既往歴、現在の薬、市販薬・サプリメント、生活状況を確認します。通常の診察に加え、必要に応じて舌の状態、脈、腹部の所見なども参考にします。舌診・脈診・腹診は処方選択の手がかりの一つであり、血液検査や画像検査など必要な西洋医学的検査の代わりになるものではありません。

漢方薬にも副作用があります

「自然由来だから副作用がない」ということはありません。複数の漢方薬、市販薬、健康食品を併用すると、同じ生薬を重複して摂取することがあります。受診時には使用中のものをすべてお知らせください。

  • 甘草を含む処方:血圧上昇、むくみ、低カリウム血症、手足のだるさ・しびれ・こむら返りなどを起こす偽アルドステロン症に注意します。
  • 間質性肺炎:新たな空咳、息切れ、発熱が出た場合は服用を中止し、早めにご連絡ください。
  • 肝機能障害:強いだるさ、食欲不振、皮膚や白目が黄色くなる、褐色尿などがあれば受診してください。
  • その他:発疹、胃腸症状、動悸、しびれなどが起こることがあります。

高血圧、心臓病、腎臓病、肝臓病がある方、妊娠・授乳中の方は、処方前に必ずお知らせください。継続処方では症状に応じて血圧測定や血液検査を行います。

服用と効果判定

服用する時間や回数は処方によって異なるため、薬袋の指示に従ってください。飲みにくい、胃に負担を感じる、飲み忘れが多い場合は調整できることがあります。飲み忘れた分を一度にまとめて服用しないでください。

処方後は、目標とする症状がどの程度変化したか、副作用がないかを確認します。効果が乏しい場合に漫然と続けず、処方の変更・中止や追加検査を検討します。

受診時にお持ちください

  • お薬手帳
  • 市販の漢方薬・サプリメントの名称や写真
  • これまで使用した漢方薬と、効果・副作用の記録
  • 健診結果や他院の検査結果

参考情報

日本東洋医学会:漢方Q&A
PMDA:偽アルドステロン症(患者向け資料)
PMDA:一般用漢方製剤の使用上の注意