骨粗鬆症は骨の強度が低下し、軽い転倒などでも骨折しやすくなる病気です。自覚症状がないことも多いため、早期の骨密度検査と骨折リスクの評価が大切です。

骨粗鬆症(骨粗しょう症)とは


骨粗鬆症は、骨の量だけでなく骨の質も低下し、骨折しやすくなる病気です。初期には痛みなどの自覚症状がほとんどありませんが、転倒などの小さな衝撃で、背骨、手首、太ももの付け根などを骨折することがあります。

背骨の骨折は、明らかな転倒がなくても起こることがあります。「身長が縮んだ」「背中や腰が曲がってきた」「急に背中や腰が痛くなった」といった変化が受診のきっかけになります。

検査をおすすめする方

  • 閉経後の女性、65歳以上の方
  • 軽い転倒などで骨折したことがある方
  • 以前より身長が縮んだ、背中や腰が曲がってきた方
  • 体重が少ない方、喫煙習慣や多量飲酒がある方
  • ご家族に大腿骨近位部骨折の既往がある方
  • ステロイド薬を長期間使用している方
  • 関節リウマチ、糖尿病、慢性腎臓病、甲状腺・副甲状腺疾患などがある方

当院での検査

問診で骨折歴、服用中の薬、生活習慣、基礎疾患などを確認し、骨密度を測定します。当院では左手を撮影するDIP法で骨密度を評価できます。検査は数分で終了します。

DIP法は骨の状態を手軽に評価できる検査です。一方、骨粗鬆症の精密な評価では、腰椎や大腿骨近位部を測定するDXA法が標準的に用いられます。骨折が疑われる場合、骨密度が著しく低い場合、治療薬の選択に詳しい評価が必要な場合は、DXA検査や整形外科診療が可能な連携医療機関へご紹介します。

必要に応じて血液検査や尿検査を行い、カルシウム・ビタミンDの状態、腎機能、甲状腺など、骨密度低下の原因や治療薬の安全性を確認します。

骨粗鬆症の診断

診断は骨密度だけでなく、脆弱性骨折(軽い力で起こった骨折)の有無や画像検査を組み合わせて行います。大腿骨近位部または背骨の脆弱性骨折がある場合は、骨密度の値にかかわらず骨粗鬆症と診断されることがあります。

脆弱性骨折がない場合は、骨密度が若年成人平均値(YAM)の70%以下であることなどが診断の目安です。数値だけで自己判断せず、年齢や骨折リスクも含めて医師と確認することが大切です。

治療

治療の目的は骨密度の数値を上げることだけではなく、将来の骨折と再骨折を防ぎ、生活機能を保つことです。骨折歴、骨密度、年齢、腎機能、歯科治療の予定、ほかの病気や薬などを考慮して治療を選びます。

  • 骨が壊れる働きを抑える薬
  • 骨を作る働きを促す薬
  • カルシウムやビタミンDの状態を整える薬

内服薬、注射薬など複数の選択肢があります。薬によって投与間隔や注意点が異なり、中断後に骨折リスクが上昇するものもあるため、自己判断で中止せずご相談ください。治療開始後は骨密度や血液検査、副作用、服薬状況を定期的に確認します。

食事・運動・転倒予防

  • カルシウム、ビタミンD、たんぱく質をバランスよく摂る
  • 無理のない範囲で歩行、筋力運動、バランス運動を続ける
  • 禁煙し、飲酒は適量にする
  • 室内の段差、敷物、照明、履物などを見直して転倒を防ぐ
  • 視力や筋力、ふらつきの原因となる薬も必要に応じて確認する

すでに骨折がある方や強い腰背部痛がある方は、自己流で運動を始めず医師へご相談ください。

こんな症状は早めに受診してください

  • 転倒後に股関節や腰が強く痛み、立てない・歩けない
  • 急に背中や腰が痛くなった
  • 以前より明らかに身長が縮んだ
  • 治療中に新たな骨折が疑われる

掲載内容は2026年7月時点の一般的な医学情報をもとに整理しています。検査・治療は患者さんごとに異なります。