疾患解説

健診で「血糖が高い」「HbA1cが高い」と言われたら? ── 放置していい?受診の目安を循環器内科が解説

ニュース概要

健康診断のあと、「血糖が高め」「HbA1cが高い」と書かれた結果票を手に、どうしたらよいか迷う方はとても多くいらっしゃいます。血糖の異常は自覚症状がほとんどないため、つい後回しにされがちです。

しかし、国立国際医療研究センター 糖尿病情報センターや日本糖尿病学会が示す基準を踏まえると、まだ糖尿病と診断されない「境界型(予備群)」の段階でも、動脈硬化はすでに進み始めていることが分かっています。京都市西京区・桂川・桂・洛西口エリアで健診を受け、血糖・HbA1cを指摘された方にとっても、これは決して他人事ではありません。本記事では、数値の意味と受診の目安を、循環器内科の視点から整理します。

医学的背景

健診でよく見る2つの数字を整理します。空腹時血糖値は「採血したその時点」の血糖を、HbA1cは「過去1〜2か月の血糖の平均」をあらわします。HbA1cは直前の食事や運動の影響を受けにくいため、ふだんの血糖の状態を知る指標として使われます。

空腹時血糖値(mg/dL)の目安

  • 99以下:正常
  • 100〜109:正常高値
  • 110〜125:境界型(いわゆる予備群)
  • 126以上:糖尿病型

HbA1c(%・NGSP値)の目安

  • 5.5以下:正常
  • 5.6〜6.4:要注意(予備群を含む)
  • 6.5以上:糖尿病型

糖尿病の診断は、血糖値(空腹時126以上、随時200以上、または75g経口ブドウ糖負荷試験の2時間値200以上)と、HbA1c 6.5%以上を組み合わせて行います。同じ日に両方が「糖尿病型」なら1回で診断がつき、片方だけのときは別の日に再検査して確認します。

循環器内科として強調したいのは、血糖異常は「血管の病気」の入り口だということです。食後に血糖が高くなる「食後高血糖」は、心血管疾患による死亡リスクを健常者の約1.5〜2倍に高めるとされ、ブドウ糖負荷試験の2時間値が高いタイプの境界型では心血管死が約2.2倍という報告もあります。境界型でも頸動脈の肥厚(動脈硬化の指標)が同年代の2型糖尿病の方と同程度に進んでいた、というデータもあります。「痛くないから大丈夫」ではなく、静かに血管が傷んでいくことに注意が必要です。

なお、自己判断での極端な食事制限や市販サプリでの対処はおすすめできません。まずは正しい再検査で「今どの段階か」を知り、必要な生活習慣の見直しや治療を主治医と相談することが大切です。

日常生活で気をつけたいポイント

  1. 結果票を捨てずに受診に持参する:数値の推移が分かると、判断がぐっと正確になります。
  2. 食事はゆっくり・野菜から・腹八分目:食後の急な血糖上昇(血糖値スパイク)をゆるやかにします。
  3. 食後に軽く動く:食後15〜30分ほどの散歩や軽い家事でも、血糖の上がり方をやわらげます。
  4. 血圧・コレステロールも一緒に見直す:合併すると心臓・血管のリスクが相乗的に上がります。
  5. 夏場の水分補給を忘れずに:暑い季節は脱水で血液が濃くなりやすく、体調も血糖も乱れがちです。
  6. 極端な糖質ゼロや自己流の断食に走らない:かえって体調を崩すことがあります。まずは受診を。

受診の目安

  • 健診で「要再検査」「要精密検査」と指示された
  • 空腹時血糖 126mg/dL以上、または HbA1c 6.5%以上と書かれていた
  • 血糖が「境界型(100〜125/HbA1c 5.6〜6.4%)」で、高血圧・脂質異常症・肥満・家族に糖尿病の方がいるなどの心配がある
  • のどの渇き・多尿・体重減少・強い倦怠感など、気になる症状がある

※強いのどの渇きと多量の尿、急激な体重減少、意識がもうろうとするなどの症状は、血糖がかなり高くなっているサインのことがあります。その場合は早めに医療機関を受診してください。

まとめ

健診の血糖・HbA1cの異常は、将来の心筋梗塞・脳卒中・心不全につながりうる大切なサインです。一方で、境界型(予備群)の段階であれば、生活習慣の見直しで進行をゆるめ、正常に近づけられる可能性も十分にあります。「早く気づけば、戻せるチャンスがある」――この前向きな一歩を、結果票を手に踏み出していただければと思います。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。診断・治療の判断や、食事・運動・お薬の具体的な内容は、必ず主治医にご相談ください。

当院で相談できること

医療法人グロース 桂川さいとう内科循環器クリニックは、京都府京都市西京区下津林南大般若町37番地 リペアス下津林2F(阪急桂駅・JR桂川駅・洛西口・桂川エリア)にある一般内科・循環器内科です。院内でHbA1cを約10分で測定できるほか、健診結果の再評価、血糖の詳しい検査、高血圧・脂質異常症を含めた生活習慣病の一括管理を行っています。循環器内科として、血糖の数字を「心臓・血管を守る」視点からいっしょに見ていくことができます。

「健診で血糖・HbA1cを指摘された」「糖尿病予備群と言われたが何をすればいい?」――そんなときは、WEB予約から結果票をお持ちのうえお気軽にご相談ください。

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引用文献・参考サイト


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