ニュース概要
2026年度(2026年4月〜2027年3月)から、帯状疱疹ワクチンが国の「定期接種」に加わりました。これまで全額自己負担が原則だったワクチンが、対象となる方は公費の補助を受けて接種できるようになっています。
対象は、その年度に65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳・95歳・100歳になる方。加えて、60歳以上65歳未満で免疫の働きに重い障害がある方も対象です。
ここで正しく押さえておきたいのが、「生涯に一度」なのはワクチンを打てる機会そのものではなく、”定期接種として公費で受けられる”機会だという点です。該当する年齢の「その1年度」を過ぎると定期接種の枠からは外れますが、その後も自費であれば接種できます。
また、制度の運用は市区町村ごとに異なります。 自己負担額、助成の有無や上限、案内が届く時期、申込み手続き、国の対象年齢に上乗せした独自助成があるかどうかは自治体次第です。京都市・向日市・長岡京市など近隣でも扱いが違う場合があるため、必ずお住まいの市区町村の公式案内をご確認ください。
帯状疱疹は、80歳までに約3人に1人が経験するといわれる身近な病気です。京都市西京区・桂川・洛西口エリアにお住まいの方も、市区町村から案内の通知が届いているかもしれません。「そのうち考えよう」と引き出しにしまったまま年度が終わってしまう──これがいちばんもったいないパターンです。
医学的背景
帯状疱疹の原因は、子どもの頃にかかった水ぼうそう(水痘)のウイルスです。水ぼうそうが治ったあとも、ウイルスは神経の奥(神経節)に潜んで生き残っています。加齢・疲労・ストレスなどで免疫力が低下すると再び活動をはじめ、神経に沿って強い痛みと発疹を起こします。体の左右どちらか片側に、帯のように症状が出るのが特徴です。
やっかいなのは、皮膚の症状が治まったあとも痛みが残る帯状疱疹後神経痛(PHN)です。ズキズキ・ピリピリした痛みが数か月から年単位で続くことがあり、高齢の方ほど残りやすいとされます。夜眠れない、服がこすれるだけでつらい、といった形で生活の質を大きく下げるため、「かかってから治す」より「かからないよう備える」意義が大きい病気です。
なお、免疫を抑えるお薬を使っている方や持病のある方は、接種できるワクチンの種類が限られることがあります。自己判断でお薬を中断したり、接種の可否を決めたりしないでください。 必ず主治医にご相談ください。
日常生活で気をつけたいポイント
- 市区町村からの案内を必ず開封して確認する。 公費で受けられる対象は年度で区切られます。自己負担額や手続きは自治体ごとに違うので、案内が届いたその月に日程まで決めてしまうのが確実です。
- 2種類のワクチンの違いを知ってから選ぶ。 生ワクチンは接種1回で費用も抑えめですが、予防効果はやや穏やかです。不活化ワクチン(シングリックス)は2か月ほど間隔をあけて2回接種し、臨床試験では50歳以上で約97%、70歳以上でも約9割の発症予防効果が報告され、帯状疱疹後神経痛の予防や効果の持続でも優れるとされています。一方で費用は高め、接種後の腕の痛みや発熱などの反応が出やすい傾向があります。
- 不活化ワクチンを選ぶなら「2回目まで」を予定に入れる。 1回で終えてしまうと本来の効果が得られません。旅行や帰省の予定と重ならないよう、最初に2回分の日程を押さえましょう。
- 免疫を落とさない生活を続ける。 睡眠不足・過労・強いストレスは発症の引き金になります。夏場は寝苦しさで睡眠が削られやすい時期です。
- 持病のお薬は自己判断で変えない。 血圧・糖尿病・脂質のお薬を飲んでいる方も、接種にあたって勝手に中断する必要はありません。
受診の目安
- 市区町村から定期接種の案内が届いた、または今年度に節目の年齢を迎える → ワクチンの種類選びを含めてご相談ください
- 今年度の対象年齢ではないが接種を考えたい → 自費での接種が可能です。費用や種類についてご相談ください
- 免疫を抑える治療中、がんの治療中、ステロイドを内服中 → 接種できる種類が限られるため、事前相談を強くおすすめします
- 体の片側だけにピリピリ・ズキズキした痛みがある/同じ場所に赤い発疹や水ぶくれが出てきた → ワクチンではなく治療の対象です。帯状疱疹は発疹が出てから72時間以内に抗ウイルス薬を開始すると、痛みや後遺症を軽くしやすいとされます。様子を見すぎず早めに受診してください
- 顔、とくに目や耳の周りに発疹が出た、耳の痛みや顔の動かしにくさ・めまい・難聴を伴う → 視力や顔面神経に関わることがあります。早急に医療機関を受診してください
まとめ
帯状疱疹は身近な病気ですが、ワクチンで発症と重症化のリスクを下げられる「備えられる病気」です。2026年度から国の定期接種となり、節目の年齢の方は公費で受けやすくなりました。ポイントは「公費で受けられる機会は年度で区切られ、定期接種としては一度きり」ということ。対象から外れた方も自費での接種という選択肢は残ります。案内が届いたら、まず日程だけでも決めてしまうのが確実です。
本記事は一般的な情報提供であり、個々の診断・治療に代わるものではありません。対象年齢の運用・自己負担額・助成内容・申込み方法などの制度の詳細はお住まいの市区町村によって異なり、変更されることもあります。最新の情報は必ずお住まいの市区町村の公式案内でご確認ください。 服薬の変更やワクチンの可否は必ず主治医にご相談ください。
当院で相談できること
医療法人グロース 桂川さいとう内科循環器クリニックでは、一般内科・循環器内科の診療とあわせて、帯状疱疹ワクチンのご相談・接種を承っています。「自分は今年度の対象か」「持病があるがどちらのワクチンを選べばよいか」といったご質問だけでも構いません。高血圧・糖尿病・脂質異常症などで通院中の方は、定期受診のついでにご相談いただけます。
所在地は京都府京都市西京区下津林南大般若町37番地 リペアス下津林2F。阪急桂駅・JR桂川駅・洛西口・桂川エリアからお越しいただけます。
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引用文献・参考サイト

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