疾患解説

「加熱式たばこは体にやさしい」は本当?──最新研究でわかった、糖尿病リスクは紙巻きと同じという事実

ニュース概要

加熱式たばこ(電子たばこ)を使う人は、たばこを吸わない人より2型糖尿病になりやすい——。2026年4月、国立健康危機管理研究機構(JIHS、旧・国立国際医療研究センター)の研究グループが、そうした研究結果を米医学誌に報告しました。

対象は、定期健康診断を受けている働く世代の約2万9千人。はじめは糖尿病のなかった人を平均約4.8年追跡し、2,141人が新たに2型糖尿病を発症しました。

要点は3つです。加熱式たばこ使用者の糖尿病リスクは非喫煙者の約1.6倍。紙巻きとの併用者では約1.76倍。そして、もともと喫煙歴のある人で比べると、加熱式たばこ使用者のリスクは紙巻きたばこ使用者と「ほぼ同じ」でした。

桂川・桂・洛西口エリアでも、「紙巻きはやめて加熱式にした」という方は多くいらっしゃいます。その切り替えが、糖尿病予防の面では期待ほど働いていないかもしれない、という身近なニュースです。

医学的背景

たばこの成分は、血糖を下げるホルモンである「インスリン」の効きを悪くし(インスリン抵抗性)、インスリンを分泌する膵臓(すいぞう)の細胞にも負担をかけると考えられています。その背景には、体のサビつきにあたる酸化ストレスや、慢性的な炎症があるとされます。

紙巻きたばこはもともと2型糖尿病の確立した危険因子で、吸わない人より発症リスクが3〜4割高いことが知られています。今回の研究は、煙が出ない加熱式でも同様の悪影響が残る可能性を、前向きの追跡データで示した点に意味があります。しかも使用量が多いほどリスクが高まる傾向もみられました。

一方で注意点もあります。研究に参加した加熱式たばこ使用者の多くは過去に紙巻きを吸っていたため、リスクの一部は過去の喫煙の影響が残っている可能性も指摘されています。いずれにせよ「加熱式なら糖尿病は安心」と言える根拠は見当たりません。なお、血糖やお薬について気になっても、自己判断で治療を変えず、主治医にご相談ください。

日常生活で気をつけたいポイント

  1. 「紙巻きより安全そう」というイメージだけで加熱式を選ばない。害の少なさは十分に証明されていません。
  2. 健診で血糖値やHbA1cが高めと言われたら、たばこの種類にかかわらず、まず禁煙を検討する。
  3. 禁煙は「気合い」に頼らず、お薬やサポートを活用すると成功しやすくなります。
  4. 食後の軽い運動、野菜や食物繊維を先に食べる、睡眠を整えるなど、血糖にやさしい生活習慣を並行して続ける。
  5. ご家族に糖尿病の方がいる場合は、早めに定期的な血糖チェックを受ける。

たばこや血糖が気になる方は、WEB予約から一度ご相談ください。禁煙と生活習慣の両面からサポートします。

受診の目安

  • 健康診断で「血糖値が高め」「HbA1cが高め」と指摘された
  • のどの渇き・多尿・体重減少など、糖尿病を思わせる症状がある
  • 加熱式を含めてたばこをやめたいが、一人では難しい
  • ご家族に糖尿病の方がいて、予防や検査に関心がある

強い口の渇きや意識のもうろうなど、体調が急に悪いときは、無理をせず医療機関を受診してください。

まとめ

加熱式たばこは煙やにおいが少ない分「害が少ない」という印象を持たれがちですが、こと2型糖尿病に関しては、紙巻きたばこと比べてリスクが下がるとは言えない、というのが2026年時点の最新の知見です。禁煙は、糖尿病だけでなく心臓・血管の病気の予防にもつながります。

本記事は一般的な情報提供であり、個別の診断・治療に代わるものではありません。服薬や治療の変更は、必ず主治医にご相談ください。

当院で相談できること

医療法人グロース 桂川さいとう内科循環器クリニックは、京都府京都市西京区下津林南大般若町37番地 リペアス下津林2Fにあります。阪急桂駅・JR桂川駅・洛西口・桂川エリアからご来院いただけます。生活習慣病の管理と禁煙支援の両方に対応しています。

血糖値やたばこのことで気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

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引用文献・参考サイト


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