ニュース概要
プロ野球で日本記録の通算3085安打を放った「安打製造機」張本勲さんが、2026年9月9日に86歳で亡くなったと報じられました。報道によれば、自宅近くの路上に停めた自家用車の運転席で倒れているところを発見され、搬送先の病院で亡くなったとされています。死因は公表されていませんので、本記事でご本人の病気を詮索・断定することはいたしません。謹んでお悔やみ申し上げます。
一方で「車の中や屋外で人が急に倒れる」という出来事の背景として、一般に知られているのが心臓突然死です。京都市西京区・桂川・桂・洛西口エリアの当院にも、著名人の訃報が報じられるたびに「自分や家族は大丈夫だろうか」というご相談が寄せられます。心臓突然死は、日頃の生活習慣病の管理と検査でリスクを見つけて下げられる部分が大きく、地域の皆さんにとっても“自分ごと”のテーマです。
医学的背景
心臓突然死とは、それまで元気だった人が心臓を原因に急に倒れ、短時間で命に関わる状態におちいることをいいます。日本では毎年およそ数万人が亡くなっているとされ、まれな出来事ではありません。
その引き金として多いのが、心室細動(しんしつさいどう)という致死性不整脈です。心臓のポンプ役である心室が細かくふるえるだけで血液を送り出せなくなり、脳と全身に血液が届かず数秒〜十数秒で意識を失います。
健康にみえる成人・高齢の方に心室細動が起こる背景として、もっとも多いのが虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)です。心臓を養う冠動脈が動脈硬化で狭くなる・詰まることで心筋に血液が届かなくなり、致死的な不整脈が誘発されます。ほかに心筋症・弁膜症・重い心不全なども背景になります。動脈硬化を進める高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙といった生活習慣病は、その大きな危険因子です。なお、動悸や胸の症状、服薬について、自己判断で市販薬に頼ったり薬を中止・変更したりせず、必ず主治医にご相談ください。
日常生活で気をつけたいポイント
- 生活習慣病を放置しない。健診で高血圧・高血糖・コレステロール高値・肥満を指摘されたら、早めに受診して管理を始めましょう。動脈硬化を抑えることが心臓突然死の予防につながります。
- 禁煙する・受動喫煙を避ける。喫煙は虚血性心疾患の強い危険因子です。
- 前ぶれのサインを見逃さない。胸の痛み・強い息切れ・失神・気を失いそうな感覚は「疲れ」で片づけないこと。
- 家族の突然死の有無を確認しておく。若くして突然亡くなった家族がいる場合は、一度循環器内科で相談を。
- AEDの場所を知っておく。職場・駅・公共施設のAEDの位置を普段から意識しておくと、いざというとき役立ちます。
受診の目安
- 胸の強い痛み・締めつけ・圧迫感(とくに動いたとき、数分続くもの)
- 急に強くなった息切れ、坂道・階段でつらい
- 失神した・意識が遠のいた・目の前が暗くなったことがある
- 脈がまったくバラバラ、動悸が長く続く・だんだん増える
- 若くして突然死した家族がいる
次のときはただちに救急要請(119番)と初期対応を:
- 目の前の人が急に倒れ、反応がなく、普段どおりの呼吸がない
- 大声で助けを呼び、119番通報とAEDの手配を頼む
- すぐに胸骨圧迫(胸の真ん中を1分間に100〜120回のテンポで強く速く押す)を始める
- AEDが届いたら音声ガイドに従って使う
まとめ
心臓突然死は「一部の人だけに起こる特別なこと」ではなく、その多くが虚血性心疾患などをベースに起こり、日頃の生活習慣病管理と検査でリスクを見つけて下げられるものです。胸の痛み・息切れ・失神といった前ぶれを軽く見ず、健診で指摘された異常を放置しないことが何より大切です。本記事は一般的な情報提供であり、特定個人の死因や診断を述べるものではありません。服薬の変更は自己判断せず主治医にご相談ください。
当院で相談できること
医療法人グロース 桂川さいとう内科循環器クリニックでは、健診で心電図・血圧・血糖・コレステロールに指摘のあった方に、心電図・24時間ホルター心電図・心臓超音波(心エコー)・運動負荷心電図などを組み合わせ、心臓突然死につながりうるリスクがないかを確認しています。生活習慣病の管理から、胸の痛み・息切れ・失神・動悸のご相談まで、循環器内科としてお手伝いします。
- 所在地:京都府京都市西京区下津林南大般若町37番地 リペアス下津林2F(阪急桂駅・JR桂川駅・洛西口・桂川エリア)
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引用文献・参考サイト
- 日本経済新聞「張本勲さん死去、プロ野球最多3085安打の『安打製造機』 86歳」
- デイリースポーツ「張本勲さん死去 プロ野球名球会が発表【全文】」
- 日本AED財団「心臓突然死の特徴とみなさんの協力が必要な理由」
- 時事メディカル 家庭の医学「心臓突然死(心停止)」
- 国立循環器病研究センター
- 日本循環器学会

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