疾患解説

めまい・ふらつきは脳梗塞のサイン?──良性のめまいと危ないめまいの見分け方

ニュース概要

『水曜どうでしょう』でおなじみの俳優・演出家、鈴井貴之さん(64)が2026年9月6日、8月に脳梗塞で緊急入院していたことを所属事務所を通じて公表しました。報道によると、ソファーから立ち上がった際にめまいで倒れて受診したところ脳梗塞と診断されたとのことです。幸い症状は軽度で回復も早く、リハビリを経て退院し、9月の「水曜どうでしょう祭」にも無事出演したと報じられています(オリコン、スポーツニッポンほか)。詳しい病型や原因は公表されていません。

「めまいで倒れたら脳梗塞だった」という経過は、多くの方にとって身近で、少し不安を感じるニュースかもしれません。京都市西京区・桂川・桂・洛西口エリアにお住まいの方にとっても、「そのめまいは様子を見てよいのか、すぐ受診すべきなのか」を知っておくことは、いざというときに役立つ“自分ごと”のテーマです。以下では一般的な情報として、めまいと脳梗塞の関係を解説します(ご本人の回復をお祈りします)。

医学的背景

めまいは、原因によって大きく「危険度の低いもの」と「危険度の高いもの」に分かれます。

  • 耳(内耳)が原因のめまい:もっとも多いタイプです。頭を動かすと数十秒回る良性発作性頭位めまい症(BPPV)、突然の激しい回転性めまいが続く前庭神経炎、めまいに難聴・耳鳴りをともなうメニエール病などが代表です。多くは命にかかわりません。
  • 血圧・自律神経・全身状態が原因のめまい:立ちくらみ(起立性低血圧)、脱水、貧血、睡眠不足、ストレス、薬の影響などで、ふらつき・立ちくらみが起こります。
  • 脳が原因のめまい(危険):脳の血流障害(脳梗塞・一過性脳虚血発作=TIA)でも、めまい・ふらつきが起こります。とくに脳の後ろ側(脳幹・小脳)を養う血管の障害では、めまいが主症状になり、耳の病気と見分けが難しいことがあります。

循環器内科の視点で重要なのは、脳梗塞やめまいの背景に、心房細動という不整脈や、高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙といった動脈硬化の危険因子が深く関わっている点です。とくに心房細動は、心臓にできた血のかたまりが脳に飛ぶ「心原性脳塞栓症」の最大の原因で、太い血管をふさぐため重症化しやすいことが知られています。これらの管理が脳梗塞の予防に直結します。なお、抗凝固薬・降圧薬などを使っている方は、自己判断で中止・変更せず、必ず主治医にご相談ください。

日常生活で気をつけたいポイント

  1. 危ないサインをともなうめまいかを確認する。ろれつが回らない・手足の片側のしびれや脱力・物が二重に見える・立てないほどのふらつき・激しい頭痛や嘔吐をともなうめまいは、脳梗塞を疑い、すぐ受診・救急要請を。
  2. 一時的に消えても油断しない。短時間で消えるめまい・しびれ・ろれつの乱れは、脳梗塞の前ぶれ(TIA)のことがあります。消えても必ず受診を。
  3. 脳梗塞の危険因子を管理する。高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙・肥満はまとめて対策を。家庭血圧をはかる習慣が役立ちます。
  4. 家庭で脈のセルフチェックをする。手首の脈が不規則・バラバラなときは心房細動の可能性。健診の心電図結果もあわせて確認しましょう。
  5. 脱水・寝不足・急な立ち上がりを避ける。良性のめまい・立ちくらみの予防にもつながります。

受診の目安

次のようなめまい・ふらつきは、循環器内科・かかりつけ医にご相談ください。

  • くり返すめまい・ふらつき、だんだん強くなるめまい
  • 動悸・胸の圧迫感・息切れをともなうめまい
  • 健診で不整脈・高血圧・血糖や脂質の異常を指摘されている方のめまい

次のときは、ためらわず救急要請(119番)を検討してください:

  • 顔のゆがみ・ろれつが回らない・片腕に力が入らない(FASTに当てはまる)をともなうめまい
  • 立てない・まっすぐ歩けないほどの強いふらつき、物が二重に見える、視野が欠ける
  • 経験したことのない突然の激しいめまいに、激しい頭痛・嘔吐をともなうもの

まとめ

めまい・ふらつきの多くは耳や血圧・自律神経による良性のものですが、なかには脳梗塞・一過性脳虚血発作(TIA)という危険な原因が隠れていることがあります。「ろれつ・手足の片側のしびれや脱力・強いふらつき・二重に見える」などの神経症状をともなうめまいは、FASTを思い出してすぐ受診・救急要請を。一時的に消えても必ず受診しましょう。本記事は一般的な情報提供であり、服薬の変更は自己判断せず主治医にご相談ください。

当院で相談できること

医療法人グロース 桂川さいとう内科循環器クリニックでは、めまいの背景にある循環器の要因をしらべるために、心電図・ホルター心電図・血圧測定・血液検査・心臓超音波(心エコー)などを組み合わせ、高血圧・糖尿病・脂質異常症・心房細動といった脳梗塞の危険因子の管理を行っています。

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引用文献・参考サイト


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