疾患解説

その「熱中症対策」、糖分のとりすぎかも──夏に急増する『ペットボトル症候群』にご注意を

ニュース概要

夏は熱中症予防のため、こまめな水分補給がすすめられます。とても大切なことです。ただ、その水分が甘い清涼飲料水やスポーツドリンクばかりになると、別の問題が起こります。

「ペットボトル症候群」です。糖分の多い飲み物を短期間に大量に飲むことで、血糖値が急に上がり、体調を崩す状態を指します。医学的には「清涼飲料水ケトーシス(ソフトドリンクケトーシス)」と呼ばれます。

大人だけの話ではありません。部活動で運動する10代の方が、水の代わりにジュースをがぶ飲みして発症することもあります。桂川・洛西口エリアでも、暑い日が続くこの季節、どなたにも起こりうる身近なテーマです。

医学的背景

飲み物の糖分は吸収が速く、血糖値を一気に押し上げます。血糖値が高くなると、体は尿をたくさん作って糖を出そうとします。すると水分が失われ、のどが渇きます。そこでまた甘い飲み物を飲むと、さらに血糖値が上がる。この悪循環が「ペットボトル症候群」の正体です。

高血糖が続くと、血糖値を下げるホルモン「インスリン」が働きにくくなります。糖をエネルギーに使えなくなった体は脂肪を急いで分解し、「ケトン体」という物質が血液にたまって酸性に傾きます(ケトーシス)。初期は「だるい」「のどが渇く」程度でも、重くなると意識がもうろうとする危険な状態になることがあります。

循環器の視点でも、高血糖と脱水が重なると血液の状態が悪くなり、心臓や血管に負担がかかります。糖尿病は動脈硬化の重要な危険因子でもあります。なお、すでに糖尿病の治療中の方は、水分や食事のとり方を自己判断で大きく変えず、主治医にご相談ください。

日常生活で気をつけたいポイント

  1. ふだんの水分は水か麦茶を中心に。 麦茶はカフェインを含まず、就寝前やお子さん・ご高齢の方にも向いています。
  2. 「低糖」「微糖」も油断しない。 500mlの炭酸飲料は角砂糖にして約20本分の糖分に相当することもあります。微糖表示でもスティックシュガー5本ほど含むことがあります。
  3. スポーツドリンク・経口補水液は使い分ける。 汗を大量にかいたときや脱水のときの補給用です。経口補水液は塩分が多めなので、日常のがぶ飲みには向きません。
  4. のどが渇く前に、時間を決めて飲む。 起床時・入浴前後・就寝前など、タイミングを決めてこまめに。
  5. コーヒー・アルコールは水分補給の主役にしない。 利尿作用でかえって水分を出してしまいます。

暑い時期の飲み物選びに迷ったら、無理に一人で抱え込まず、当院のWEB予約から一度ご相談ください。健診結果を持参いただくと、より具体的なアドバイスができます。

受診の目安

  • 強いのどの渇きや、多飲・多尿が続く
  • だるさが抜けない、体重が減ってきた
  • 健診で血糖値やHbA1cの高さを指摘されたことがある
  • (緊急)意識がもうろうとする、呼びかけへの反応が鈍い → ためらわず救急要請(119番)を

まとめ

夏の水分補給はとても大切ですが、その中身が甘い飲み物ばかりにならないよう気をつけましょう。ふだんは水・麦茶を中心にし、スポーツドリンクや経口補水液は「汗を大量にかいたとき」「脱水のとき」に使い分けるのが安心です。ちょっとした工夫で、夏を元気に乗り切れます。

※本記事は一般的な情報提供であり、個別の診断・治療に代わるものではありません。服薬中の方が水分・食事のとり方を変える際は、必ず主治医にご相談ください。

当院で相談できること

医療法人グロース 桂川さいとう内科循環器クリニックは、京都市西京区で一般内科・循環器内科・生活習慣病の診療を行っています。血糖値やHbA1cが気になる方、夏の体調管理に不安がある方は、お気軽にご相談ください。

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引用文献・参考サイト


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