疾患解説

温泉や入浴施設のあとに発熱・咳? レジオネラ肺炎と受診の目安

ニュース概要

2026年7月23日、静岡放送/TBS NEWS DIGは、静岡県焼津市の温浴施設の男性用露天風呂から、基準値を超えるレジオネラ属菌が検出されたと報じました。発熱などで医療機関を受診し、レジオネラ症と診断された男性が、発症前にこの施設を含む複数の温浴施設を利用していたことを受けて水質検査が行われたものです。施設は安全確認のため、一部の浴槽の利用を停止しました。

大切なのは、この報道だけで男性の感染源が当該施設だったと確定したわけではないことです。男性は複数の施設を利用しており、報道時点では患者由来の菌と浴槽から検出された菌が一致したとの情報は示されていません。「菌が検出された」という事実と「そこで感染した」と断定することは分けて考える必要があります。

一方、レジオネラ症は国内で一年を通して発生し、特に7〜9月に多いとされています。夏休みの旅行や温泉、レジャー施設の利用が増える時期だからこそ、「入浴後に発熱や咳が出たとき、医療機関へ何を伝えればよいか」を知っておくことには意味があります。

出典

医学的背景

レジオネラ症は「細かい水しぶき」を吸い込んで起こります

レジオネラ属菌は、河川、湖水、温泉、土壌など自然界にいる細菌です。循環式浴槽、ジャグジー、冷却塔、給湯設備、適切に管理されていない加湿器などの人工的な水環境で増殖し、菌を含む細かい霧や水しぶき(エアロゾル)を吸い込むことで感染することがあります。浴槽水を誤って気道へ吸い込んだことによる感染例も報告されています。

通常は人から人へうつる感染症ではありません。そのため、患者さんと同じ部屋にいただけで感染する、という病気ではありません。また、温泉や銭湯を利用した人が必ず発症するわけでもありません。衛生管理は施設側の責任で行われており、利用者が自分で浴槽を検査したり、過度に入浴を避けたりする必要はありません。

2つの病型があります

主な病型は、肺炎を起こす「レジオネラ肺炎」と、肺炎を伴わず自然に改善することが多い「ポンティアック熱」です。

レジオネラ肺炎では、はじめに強いだるさ、頭痛、食欲不振、筋肉痛などが現れ、その後、咳、38℃以上の発熱、寒気、胸痛、息苦しさなどが出ることがあります。下痢や意識の変化を伴う場合もあります。症状だけで他の肺炎と見分けることは難しく、医療機関では状況に応じて尿中抗原検査、培養検査、遺伝子検査などを組み合わせて診断します。

潜伏期間はおおむね2〜10日です。医療機関を受診するときに「数日前に温泉へ行った」「旅行先の大浴場やジャグジーを利用した」「循環式浴槽を使った」と伝えることが、診断の手がかりになります。

重症化に注意したい人

厚生労働省は、高齢者、新生児、喫煙者、多量に飲酒する人、透析中の人、移植後や治療などで免疫機能が低下している人を、レジオネラ肺炎のリスクが高い人として挙げています。高血圧や糖尿病などの生活習慣病がある方でも、年齢、喫煙歴、腎機能、心臓や肺の持病などが重なる場合は、発熱や呼吸器症状を我慢しないことが大切です。

レジオネラ肺炎は適切な抗菌薬で治療しますが、治療が遅れると急速に悪化することがあります。「普通の夏風邪だろう」「旅行の疲れだろう」と決めつけず、経過と行動歴を伝えて早めに評価を受けることが重要です。

日常生活で気をつけたいポイント

  1. 入浴や旅行の日付を覚えておく
  2. 温泉、銭湯、ホテルの大浴場、ジャグジーなどを利用した日は、スマートフォンの予定表や写真で確認できるようにしておくと、体調を崩したときに役立ちます。

  1. 発熱や咳が出たら「2〜10日前」を振り返る
  2. 受診時には、症状が始まった日だけでなく、その前の入浴施設、宿泊、旅行、加湿器の使用、園芸や腐葉土の取り扱いなども伝えてください。感染源を自分で特定する必要はありません。

  1. 家庭の加湿器は毎日水を交換し、容器を洗う
  2. とくに水を加熱せず霧にするタイプは、取扱説明書どおりに清掃・管理しましょう。継ぎ足しだけで使い続けないことが基本です。

  1. 追いだき・24時間風呂は説明書どおりに管理する
  2. 浴槽や配管のぬめり(生物膜)は菌が増える場になり得ます。定期的な洗浄、換水、消毒など、機器の取扱説明書に沿った手入れを行ってください。

  1. 腐葉土や土ぼこりを扱うときは吸い込まない工夫をする
  2. 園芸作業ではマスクを着用し、袋を顔の近くで勢いよく開けないなど、粉じんを吸い込みにくい方法を選びましょう。

受診の目安

温泉、循環式浴槽、ジャグジー、宿泊施設の大浴場などを利用してから2〜10日ほどの間に、次の症状が出た場合は、早めに一般内科などへ相談してください。

  • 38℃以上の発熱や強い寒気がある
  • 咳、痰、胸の痛みが続く
  • 強いだるさ、筋肉痛、頭痛、食欲低下がある
  • 下痢と発熱、咳などが同時にみられる
  • 高齢、喫煙歴、透析、免疫機能の低下などのリスクがある

受診時は「いつ、どの地域の、どのような入浴施設を利用したか」「症状が始まった日」「同行者に症状があるか」を伝えましょう。発熱がある場合は、院内感染対策のため、来院前にWEBまたは電話で医療機関へ連絡してください。

息苦しくて会話が続かない、唇が紫色になる、強い胸痛がある、意識がぼんやりする、立てないほどぐったりしている場合は、通常の外来を待たず、119番への連絡を検討してください。

当院で相談できること

医療法人グロース 桂川さいとう内科循環器クリニックは、京都市西京区下津林南大般若町37番地 リペアス下津林2Fにある一般内科・循環器内科・腎臓内科のクリニックです。発熱、咳、だるさなどの初期評価に加え、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病、動悸、息切れ、胸痛、不整脈、狭心症、心不全などもご相談いただけます。

レジオネラ肺炎を含む肺炎が疑われる場合は、症状、酸素飽和度、診察所見、入浴・旅行歴、持病や服薬内容を確認し、必要な検査や治療が受けられる医療機関への紹介を含めて判断します。詳しくは一般内科の診療案内、発熱がある方は発熱外来のご案内をご覧ください。

阪急桂駅、JR桂川駅、洛西口、桂川エリアからアクセスしやすく、WEB予約と駐車場があります。WEB予約・WEB問診アクセス・駐車場案内もご利用ください。

まとめ

レジオネラ症は、菌を含む細かい水しぶきなどを吸い込むことで起こる細菌感染症です。国内では特に7〜9月に多く、温泉や旅行と関連する例もあります。通常は人から人へうつる病気ではなく、施設利用だけで過度に不安になる必要はありません。

ただし、入浴施設やジャグジーなどを利用して2〜10日後に発熱、咳、胸痛、息苦しさが出たときは、入浴・旅行歴を医療機関へ伝えてください。重い呼吸症状や意識の変化があれば救急要請を検討しましょう。京都市西京区、桂川、桂、洛西口周辺で入浴後の発熱や咳が気になる方は、桂川さいとう内科循環器クリニックへ来院前にご連絡ください。


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