疾患解説

上村愛子さんが公表した『心室中隔欠損症』とは?── 先天性心疾患と“健診で指摘される心雑音”をやさしく解説

ニュース概要

読売新聞の医療情報サイト「ヨミドクター」(2026年6月8日)で、元フリースタイルスキー・モーグル日本代表の上村愛子さんが、生まれつきの心臓病である「心室中隔欠損症(しんしつちゅうかくけっそんしょう)」と診断されていたことを公表しました。長野五輪で入賞し、冬季五輪に5大会連続で出場したトップアスリートです。

記事によると、上村さんは「私の病状は軽いほうで、症状を自覚したことはない」と語り、4歳のカテーテル検査でも穴は残っていたものの、手術は不要と判断されたとのこと。学校などの健診では、ほぼ必ず心臓の雑音を指摘されてきたと紹介されています。

「健診で毎回、心臓の雑音を指摘される」という京都市西京区・桂川・桂・洛西口エリアの方も少なくありません。今回の公表は、先天性心疾患や心雑音について正しく知るよいきっかけになります。

※本記事は公表された内容をもとにした一般的な病気の解説であり、ご本人の個別の診療内容を推測・断定するものではありません。

医学的背景

心臓は4つの部屋に分かれ、下側に左右2つの「心室」があります。その左右を隔てる壁(心室中隔)に生まれつき穴が開いている状態が、心室中隔欠損症(VSD)です。先天性心疾患は新生児の約100人に1人にみられ、心室中隔欠損症はその中でも割合が高いタイプとして知られています。

ポイントは次のとおりです。

  • 小さな穴ほど雑音が大きいことがある:小さな穴を血液が勢いよく通ると、かえって大きな心雑音になることがあります。「雑音が大きい=重症」とは限りません。
  • 自然にふさがることもある:乳幼児期に穴が自然に閉じる場合があり、穴が小さく心臓・肺への負担が少なければ、手術せず経過観察となることもあります。
  • 穴が大きい場合は治療が必要なことも:心臓に負担がかかる場合には、カテーテル治療や手術が検討されます。程度に応じて医師が判断します。
  • 大人になってからの注意点:軽症でも、動悸・息切れなどの症状が出たときは受診を。また一部の先天性心疾患では、歯科治療などの前に感染性心内膜炎(細菌が心臓に感染する病気)の予防が必要な場合があります。

なお、「昔から雑音があるから大丈夫」と自己判断で放置せず、一度は状態を把握しておくことが安心につながります。お薬や治療方針を自己判断で変えることは避け、主治医に相談してください。

日常生活で気をつけたいポイント

  1. 健診で心雑音を指摘されたら、一度は循環器内科で確認する。 多くは心配のいらないものですが、精密検査が望ましい場合もあります。
  2. 「子どもの頃に心臓に穴がある」と言われた方は、大人になっても一度チェックを。 現在の状態を把握しておくと安心です。
  3. 歯の治療や手術の前に、先天性心疾患があることを歯科・医療機関に伝える。 感染性心内膜炎の予防が必要かどうかの判断に役立ちます。
  4. 動悸・息切れ・むくみ・疲れやすさに気づいたら受診する。 変化のサインを見逃さないことが大切です。
  5. 定期的な受診を続ける。 軽症でも、年齢とともに評価が変わることがあります。

受診の目安

次のような場合は、循環器内科でのチェックをおすすめします。

  • 健診で心雑音心電図の異常を指摘された
  • 以前「心臓に穴がある」「先天性心疾患」と言われたが、その後受診していない
  • 動悸・息切れ・むくみ・疲れやすさなどの症状がある
  • 歯科治療・手術を控えていて、感染性心内膜炎の予防が必要か知りたい

次の場合は、ためらわず 119番 してください。

  • 強い胸の痛み・息苦しさが続く
  • 唇や顔色が青白い(チアノーゼ)・意識がもうろうとする
  • 失神した(意識を失った)

まとめ

上村愛子さんの公表は、「先天性心疾患があっても、程度が軽ければ症状なく元気に過ごし、スポーツで活躍できる方もいる」ことを広く知らせてくれました。同時に、健診で指摘される心雑音を、こわがりすぎず・放置しすぎず、一度きちんと確認する大切さも伝えています。

心室中隔欠損症をはじめとする先天性心疾患は、程度に応じた向き合い方があります。気になる指摘を受けた方は、まず一度、状態を確認してみましょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療を示すものではありません。先天性心疾患の状態や必要な対応には個人差があります。治療方針は必ず主治医にご相談ください。

当院で相談できること

医療法人グロース 桂川さいとう内科循環器クリニックは、京都府京都市西京区下津林南大般若町37番地 リペアス下津林2Fにあります。阪急桂駅・JR桂川駅・洛西口駅からお越しいただける、桂川エリアの一般内科・循環器内科です。

「心雑音・先天性心疾患」のご相談では、次のような検査・対応を院内で行っています。

  • 心エコー(心臓超音波検査)による、穴の有無・大きさ・心臓の負担の評価
  • 12誘導心電図による不整脈・伝導障害のチェック
  • 健診で指摘された心雑音・心電図異常の精密検査
  • 動悸・息切れ・むくみなどの症状のご相談

「健診で毎回、心臓の雑音を指摘される」「昔、心臓に穴があると言われた」――どうぞお気軽にご相談ください。

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引用文献・参考サイト


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