疾患解説

『あしたが変わるトリセツショー』観ましたか? ─ 骨粗鬆症と“骨卒中”について解説

ニュース概要

2026年7月9日放送のNHK『あしたが変わるトリセツショー』「一生ものの骨」(骨ケアで健康革命!)で、骨粗鬆症が特集されました。番組では、高齢の方に起こる背骨や大腿骨(足のつけ根)の骨折を専門家が 「骨卒中(こつそっちゅう)」 と呼び、命に関わるものとして警鐘を鳴らしています。くしゃみや洗濯かごを持ち上げただけでも起こりうること、2022年の厚生労働省調査で骨折は「要介護になる原因」の第3位、大腿骨骨折では5人に1人が1年以内に亡くなるという報告も紹介されました。

さらに番組の抜き打ち測定では、20〜80代の57人中25人(4割以上)が骨粗鬆症疑い・要注意で、若い世代も油断できないことが示されました。骨粗鬆症は自覚症状がなく、骨折して初めて気づくことがほとんど。京都市西京区・桂川・桂・洛西口エリアの皆さまにとっても、「まず骨の状態を知る」ことの大切さを感じるきっかけになるはずです。当院では、この骨密度チェックを身近に受けていただけます。

医学的背景

骨は日々、古い骨を壊し新しい骨を作りかえています。加齢・閉経(女性ホルモンの減少)・生活習慣などでこのバランスがくずれると骨密度が下がり、もろくなります。80歳ごろには3人に1人ほどが骨粗鬆症になるとされます。骨粗鬆症は「骨卒中」の原因であり、症状がないまま進むため、検査での早期発見が重要です。

骨密度の評価には YAM値(若年成人平均値) が使われます。これは骨量が最も充実している20〜44歳の平均を100%とし、今の自分の骨密度が何%かを示すものです。原発性骨粗鬆症では、背骨・大腿骨などに脆弱性骨折があるか、骨密度がYAM70%以下(または−2.5SD以下)で骨粗鬆症YAM70%超〜80%未満で骨量減少と判断します(骨折の有無や危険因子も含め総合評価)。なお診断・治療は個別に判断し、お薬は自己判断で開始・中止しないことが大切です。

骨粗しょう症チェックリスト(番組で紹介)

番組では、日本骨粗鬆症学会 理事長 萩野浩医師の監修による「骨粗しょう症チェックリスト」が紹介されました。一つでも当てはまると、骨密度が低下している可能性があります。

  • 65歳以上である
  • 閉経した、または、月経不順がある
  • (転倒などの軽い衝撃で)骨折した経験がある
  • 家族に骨粗しょう症・足のつけ根を骨折した人がいる
  • ステロイドの経口投与、または関節リウマチがある
  • 20代の頃と比べて身長が4センチ以上縮んだ
  • 運動習慣がない
  • 体格が細身(BMI18.5未満)
  • 急激なダイエットの経験がある
  • 喫煙の習慣がある
  • 毎日多量の飲酒をしている

当てはまってもすぐに骨粗鬆症と決まるわけではありませんが、骨密度を一度測る良いきっかけになります。

日常生活で気をつけたいポイント

  1. まず骨密度を測って“今”を知る:症状がなくても、一度は骨密度を測りましょう。上のチェックリストで気になる項目がある方は特におすすめです。
  2. カルシウム・ビタミンD・たんぱく質をしっかり:乳製品・小魚・大豆・青菜などをバランスよく。ビタミンDは適度な日光でも作られます。
  3. 骨に刺激を与える運動を続ける:ウォーキングや軽い筋力トレーニングなど。番組でも、運動の継続で骨密度が増えると報告されていることが紹介されました。無理なくコツコツと。
  4. 転倒を防ぐ:室内の段差・滑り・暗がりに注意し、筋力とバランスを保つ運動を。骨折予防の要です。
  5. 禁煙・節酒:喫煙や過度の飲酒は骨に不利に働きます。

受診の目安

  • 健診や家族の骨折をきっかけに、骨密度を一度調べておきたい。
  • 閉経後の女性、ステロイドを長く使っている、家族に骨折・骨粗鬆症の方がいる。
  • 「最近背が縮んだ」「背中が丸くなった」「腰・背中が痛む」などが気になる。
  • 転んで手やお尻をついたあと、痛みが続く。
  • ※強い痛みで動けない、背中を打って強く痛むなどの場合は、早めに整形外科など医療機関へ。

まとめ

骨粗鬆症は症状なく進み、「骨卒中」として命や生活の質に関わることもあります。だからこそ、まず骨密度を測って自分の状態を知ることが第一歩です。当院では約10分の骨密度検査(MD法)で状態を把握し、YAM値などをもとに評価、ガイドライン2025年版に沿った治療をご提案します。骨は、早めの対策で守っていける臓器です。本記事は一般的な情報提供であり、検査の選択や治療は個別に判断します。お薬については必ず主治医にご相談ください。

当院で相談できること

医療法人グロース 桂川さいとう内科循環器クリニックは、京都府京都市西京区下津林南大般若町37番地 リペアス下津林2Fにあります(阪急京都線 桂駅・JR京都線 桂川駅・阪急 洛西口駅、桂川エリア)。当院では、骨密度検査に MD法 を用いています。

  • MD法とは:手のX線写真を撮り、第二中手骨(人差し指のつけ根〜手首の骨)の濃さを基準と比べて骨密度を評価する方法です。
  • 利点約10分で測定でき、被曝が少なく、手を置いて撮るだけで痛みがなく簡便。内科クリニックでも受けやすく、定期的な“見守り”に向きます。
  • 欠点:測るのは手(末梢の骨)で、骨折が起こりやすい腰椎・大腿骨を直接測るDXA法に比べ精密さはやや劣り、皮質骨中心のため治療効果の判定が難しいことがあります。より詳しい評価が必要な場合はDXA法などをご案内します。
  • 骨密度は YAM値 などで評価し、『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版』に基づいた治療を行います。

健診結果をお持ちいただくと、より具体的にお話しできます。

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引用文献・参考サイト


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