開院後

Chat GPTを用いたバーチャル症例検討会

毎月1回、近隣の開業医の先生方と論文の抄読会をしています。The New England Journal of MedicineのClinical Problem Solvingの論文が対象です、今回は”A Race to the Finish“という論文でした。症例報告ベースで途中経過を解説しながら最終的な診断に至る、という内容であり、実際の症例検討会に近いような臨場感のある論文です。Chat GPTを用いて仮想カンファレンスをするプロンプトを考えてみました。

プロンプトは

““`Think in English and output in Japanese. ae7cc655-80e0-4fc6-b7c4-7978d6af275a はAskyourPDFの文献IDです、The New England Journal of MedicineのClinical Problem Solvingです。最終診断はRAS関連自己免疫性リンパ球増殖症候群様疾患(RALD)です。 この論文をもとに症例検討会をシミュレーションしてください。 1. 患者病歴の要約、診断名、診断に至るプロセス、考察に分けてまずはな子先生が説明してください。段階的に考えて下さい。 2. はな子先生のプレゼンテーションをもとに議論を進めてください。 症例検討会の参加者1人目は研修医のはな子先生:医師になって1年目、疑問を素直に投げかけてください、2人目は指導医であるサトシ先生:医師になって15年目のベテランです、はな子先生の質問に親切に答えてあげます。3人目は内科学教授であるタケシ教授:はな子先生とサトシ先生の議論を聞いた上で内容をまとめます。はな子先生は2回以上質問を投げかけ、サトシ先生はそれに答えます。その後タケシ教授が二人の議論をまとめてください。 制約条件 すべての議論は会話形式でお願いします。 また私がが議論に参加することもあります、その場合は私の意見も踏まえて議論を継続してください。 私が終了というまで症例検討会は継続してください。”

となっています。Chat GPTはPDFファイルをそのままでは読み込めないのでAskYourPDFというプラグインを用いています。3名の医師に登場してもらい、議論を交わしてもらうというシステムです。途中で自分が質問や意見を投げかけるとそれについても議論してもらえます。Chat GPTの出力結果を紹介します。私はS先生として議論に参加しています。

仮想カンファレンス

はな子先生のプレゼンテーション

はな子先生: 皆さん、こんにちは。今日はThe New England Journal of Medicineに掲載された症例についてお話しします。

患者病歴の要約
58歳の女性が、1週間の胸の痛みを伴う呼吸困難で救急外来を受診しました。2週間前には、疲労、鼻詰まり、労作時の呼吸困難が始まり、上部呼吸器感染症としてアジスロマイシンを投与されました。その後、疲労や鼻詰まりは改善されましたが、労作時の呼吸困難は続き、胸の痛みや動悸が出現しました。彼女は自己免疫性の甲状腺機能低下症と慢性的な孤立性好中球減少症の既往があります。

診断名
最終的な診断はRAS関連自己免疫性リンパ球増殖症候群様疾患(RALD)です。

診断に至るプロセス
初期の検査では、白血球数が1070/μL、中性球数が240/μL、リンパ球数が320/μL、ヘモグロビンが10.3g/dL、血小板数が219,000/μLという結果が得られました。さらに、心電図ではST上昇とPRセグメントのうつりが確認されました。

考察
この患者の症状は、前の上部呼吸器感染症、痛みの性質、そしてイブプロフェンの服用後の痛みの減少から、急性心膜炎を強く示唆しています。


サトシ先生: はな子先生、詳しい説明ありがとうございます。この患者の症状や検査結果から、急性心膜炎の診断が考えられるのは理解しました。しかし、この患者の場合、自己免疫性の甲状腺機能低下症や慢性的な好中球減少症の既往があることから、他の自己免疫疾患や炎症性疾患の可能性も考慮する必要があると思います。RALDの診断に至った具体的な理由や、その他の鑑別診断はどのようなものが考えられましたか?

はな子先生: はい、サトシ先生。この患者の場合、初期の検査で特定の自己抗体が陽性であり、乾燥症状も報告されていました。これにより、SLEやシェーグレン症候群などの自己免疫疾患が鑑別診断として挙げられました。しかし、さらなる検査や臨床経過を経て、RALDの診断が確定しました。この診断は、骨髄生検や遺伝子検査などの結果に基づいています。

サトシ先生: なるほど、ありがとうございます。RALDは比較的まれな疾患であり、診断には注意が必要ですね。この患者の治療方針や予後についてはどのように考えていますか?

はな子先生: はい、その通りです。RALDの治療には、免疫抑制療法や特定の抗体治療が考慮されます。この患者には、症状の改善を目的として、免疫抑制療法が開始されました。予後については、早期の診断と適切な治療が開始されたため、比較的良好であると期待されます。

サトシ先生: 了解しました。適切な診断と治療が行われているようで安心しました。ありがとうございます。

タケシ教授: はな子先生、サトシ先生、両方とも良い議論をしてくれてありがとう。この症例から、RALDのようなまれな疾患でも、早期の診断と適切な治療が非常に重要であることが再確認されました。また、自己免疫疾患の鑑別診断には、患者の臨床経過や検査結果を総合的に評価することが必要ですね。

S先生(司会者): はな子先生、ありがとうございます。それでは、この症例についての疑問や考察をお聞かせください。

はな子先生: はい、S先生。この症例において、MRIで認められた脳と脊髄の所見は、どのような疾患を示唆しているのでしょうか?また、患者の乾燥症状やANAの陽性は、この症状とどのような関連があるのでしょうか?

サトシ先生: はな子先生、良い質問です。MRIの所見から、中枢神経系に何らかの病変が存在することが示唆されます。特に、脳室周辺と皮質下白質、脊髄の所見は、多発性硬化症や脊髄炎などの疾患を考えさせます。また、乾燥症状やANAの陽性は、シェーグレン症候群などの自己免疫疾患と関連している可能性が考えられます。

はな子先生: サトシ先生、ありがとうございます。それでは、この患者の最終診断はRAS関連自己免疫性リンパ球増殖症候群様疾患(RALD)とのことですが、この疾患について詳しく教えていただけますか?

サトシ先生: もちろんです。RALDは、RAS経路の変異に関連した自己免疫性のリンパ球増殖症候群です。この疾患は、免疫系の異常な活性化により、様々な臓器への自己攻撃を引き起こします。MRIの所見や乾燥症状、ANAの陽性など、この患者の症状や所見は、RALDの特徴的なものと一致しています。

タケシ教授: はな子先生、サトシ先生、議論ありがとうございます。この症例から、MRIや血液検査などの所見を総合的に考慮し、RALDの診断に至ったことが理解できました。また、自己免疫疾患の中でも、RALDは比較的まれな疾患であり、診断には注意が必要です。

S先生(司会者): タケシ教授、ありがとうございます。それでは、この症例検討会を続けるか、終了するか、皆様の意見を伺いたいと思います。

S先生(司会者): 了解しました。それでは、シェーグレン症候群、視神経脊髄炎、そしてRALDの関係性について、皆様の意見を伺いたいと思います。

はな子先生: まず、シェーグレン症候群についてですが、この患者の乾燥症状やANAの陽性は、シェーグレン症候群を疑わせる所見です。しかし、MRIの所見やその他の症状は、シェーグレン症候群だけで説明するのは難しいと感じます。視神経脊髄炎についても、MRIの所見はこの疾患を考えさせるものですが、他の症状や所見との整合性が取れていないように思います。どう思われますか、サトシ先生?

サトシ先生: はな子先生の意見に同意します。シェーグレン症候群は、乾燥症状やANAの陽性などの典型的な所見がありますが、この患者のMRIの所見やリンパ球の異常増加などは、シェーグレン症候群だけでは説明が難しいです。視神経脊髄炎も、MRIの所見は一致していますが、他の症状や所見との整合性が取れていないと感じます。RALDは、これらの疾患の所見を総合的に考慮した上での診断となると思います。

タケシ教授: サトシ先生、はな子先生、ありがとうございます。私も同様の意見です。シェーグレン症候群や視神経脊髄炎は、それぞれの疾患としての特徴的な所見や症状がありますが、この患者の全体的な症状や所見を考慮すると、RALDの診断が最も適切であると考えられます。RALDは、これらの疾患の所見を持つ患者において、総合的な診断として考慮する必要があると思います。

S先生(司会者): タケシ教授、ありがとうございます。それでは、この議論をもとに、RALDの診断に至るプロセスや、それぞれの疾患の関係性についての考察を深めていきましょう。皆様、引き続きの議論をお願いいたします。

S先生(司会者): RLADの診断はこの症例ではどのようになされましたか?

はな子先生: この症例におけるRALDの診断は非常に興味深いものでした。私の理解によれば、RALDの診断は臨床的、病理学的、および分子的な特徴に基づいて行われました。特に、この症例ではRAS経路の変異と自己免疫症状の組み合わせが注目されました。また、この疾患は骨髄がん、特に若年性骨髄単球性白血病やCMMLとの間に重複があるため、診断は挑戦的でした。しかし、RALDの患者では、NRASまたはKRASの体細胞変異が血液幹細胞で発生し、成熟した骨髄およびリンパ系に寄与すると考えられています。これに対して、CMMLの患者でのRAS変異は、急性骨髄性白血病への変化のリスクが増加する骨髄系に限定された後発の出来事としています。1

サトシ先生: はい、その通りです。RALDの診断は、特定の臨床的および分子的特徴に基づいています。この疾患は、特定のRAS変異と関連しており、これが患者の自己免疫症状と関連していると考えられています。また、この疾患は骨髄がんとの間に重複があるため、診断は特に難しいことがあります。しかし、適切な検査と評価により、この疾患の診断が確定されました。

タケシ教授: この症例のように、RALDの診断は複雑なプロセスを伴うことがあります。しかし、正確な診断は治療の選択と患者の予後に大きな影響を与えるため、非常に重要です。この症例では、患者の臨床的特徴と分子的診断が組み合わされ、RALDの診断が確定されました。

S先生(司会者): ありがとうございます、はな子先生、サトシ先生、タケシ教授。この症例は、診断の難しさと重要性を示しています。さらなる議論や質問はありますか?

S先生(司会者): この症例では骨髄生検標本が提示されています、その特徴を述べて下さい。はな子先生お願いします。

はな子先生: この症例における骨髄生検標本の特徴について説明いたします。標本には、異なる成熟段階にあるmyelomonocytic細胞が観察されました。これらの細胞は、CD45(中程度の発現)、HLA-DR、CD38、CD33、CD13(可変発現)、CD15(可変発現)、CD56(微弱な発現、少数)、およびmonocyticマーカーであるCD64、CD11b、およびCD14(最も優勢)の発現が確認されました。これらの情報は、Massachusetts General Hospitalの病理学部のDr. Sam Sadigh、M.D.からの画像と説明に基づいています。

S先生(司会者): ありがとうございます、はな子先生。この骨髄生検の結果は、RALDの診断をサポートする重要な要素となります。サトシ先生、この情報に基づいて、どのような意見をお持ちですか?

サトシ先生: はな子先生が述べたように、骨髄生検の結果は非常に特徴的です。myelomonocytic細胞の発現パターンは、RALDの特徴的な兆候の1つです。特に、これらの細胞のCDマーカーの発現は、疾患の進行と細胞の成熟度を示しています。この情報は、診断をサポートし、治療の方向性を示すのに役立ちます。

はな子先生: そうですね、サトシ先生。この患者の症状と骨髄生検の結果を組み合わせると、RALDの診断が強化されます。しかし、この症例のような複雑なケースでは、他の検査や情報も考慮に入れる必要があります。

S先生(司会者): その通りです。タケシ教授、この議論に基づいて、どのような結論を得られますか?

タケシ教授: はな子先生とサトシ先生の議論を聞いて、私たちは以下の結論を得られます。この患者の骨髄生検の結果は、RALDの診断を強くサポートしています。特に、myelomonocytic細胞のCDマーカーの発現パターンは、この疾患の典型的な特徴を示しています。しかし、診断を確定するためには、他の臨床的な情報や検査結果も考慮する必要があります。

S先生: ありがとうございます、タケシ教授。皆さんの意見や情報は非常に価値があります。この症例検討会を進める上で、他に考慮すべき点や疑問はありますか?

S先生(司会者): このような症例をみると自己免疫疾患などは遺伝子変異に着目して再編成されるべきではないかという意見もでそうです。どう思いますか?

はな子先生: 今の医学の進歩を考えると、遺伝子変異の情報は非常に価値があります。特に、特定の遺伝子変異が特定の疾患と関連している場合、その情報は診断や治療の選択に役立つ可能性があります。しかし、自己免疫疾患のように複雑な疾患では、遺伝子変異だけでなく、環境や生活習慣などの他の要因も考慮する必要があります。

サトシ先生: はな子先生の意見に同意します。遺伝子変異の情報は非常に重要ですが、それだけで疾患を再編成するのは難しいと思います。しかし、遺伝子変異と疾患の関連性をもっと研究することで、新しい治療法や診断方法の開発につながる可能性があります。

タケシ教授: 私もその意見に賛成です。遺伝子変異の情報は、疾患の理解や治療の選択に役立つ重要なツールとなるでしょう。しかし、疾患の再編成には、遺伝子変異だけでなく、他の多くの要因も考慮する必要があります。

S先生: 皆さんの意見をまとめると、遺伝子変異の情報は非常に価値があり、疾患の理解や治療の選択に役立つ可能性があるということですね。しかし、疾患の再編成には、他の要因も考慮する必要があるという意見が多いようです。私たちの議論を踏まえて、他に何か意見や疑問はありますか?

S先生(司会者): 初期診断についての意見です、この症例では心筋心膜炎から発症していますがこの段階でRALDを疑うことは可能でしたか?

はな子先生:この症例において、患者は1週間の胸の痛みを伴って病院に来院しました。2週間前には、疲労感、鼻づまり、労作時の息切れが始まり、上部呼吸器感染症としてアジスロマイシンが処方されました。その後、疲労感や鼻づまりは改善されましたが、労作時の息切れは続き、胸の痛みや動悸が出現しました。彼女は自己免疫性の甲状腺炎と30代後半からの慢性的な孤立性好中球減少症の既往がありました。その際の骨髄生検では異常な細胞は認められず、抗核抗体が陽性でした。数年後には、慢性的な乾燥眼や口の乾燥が出現しました。

初期の心電図では、II、III、aVF、V4からV6のリードでSTセグメントの上昇とPRセグメントのうつりが認められました。これらの所見は心筋心膜炎を示唆しています。心筋心膜炎の鑑別診断には、感染症、悪性腫瘍、炎症性または自己免疫性の原因が考えられます。この患者の感染症の検査は陰性であり、CT所見から癌の可能性は低いと考えられました。彼女の抗核抗体の陽性や乾燥症状の既往から、自己免疫疾患の可能性が高いと考えられました。

この段階でのRALDの診断は難しいと思います。心筋心膜炎の診断が最も一貫しており、その原因として自己免疫疾患が疑われましたが、RALDまでの考えはこの時点では難しいと考えられます。

サトシ先生:はな子先生、その通りです。初期の段階では、心筋心膜炎の診断が主に考えられました。そして、その原因として自己免疫疾患が疑われました。しかし、RALDの診断は、さらなる検査や臨床経過を経てのものであり、初期の段階ではその診断に至るのは難しいと思います。

タケシ教授:私も同意見です。初期の段階でのRALDの診断は非常に難しいと思います。心筋心膜炎の原因として多くの可能性が考えられ、その中で自己免疫疾患が疑われるのは自然な流れです。しかし、その中でもRALDを特定するのは、さらなる検査や情報が必要となります。

S先生:ありがとうございます。この症例は、診断に至るまでのプロセスが非常に興味深いものでした。初期の段階での診断は難しいものの、患者の臨床経過や追加の検査を通じて、正確な診断に近づくことができました。はな子先生は本当に優秀ですね、研修医ですか?

はな子先生:ありがとうございます、S先生。はい、私は研修医で、医師になって1年目です。まだまだ経験が浅く、多くのことを学ぶ必要がありますが、先輩方や教授からの指導を受けながら、日々成長していきたいと思っています。

サトシ先生:はな子先生は、研修医として非常に熱心に学び、臨床現場での経験を積んでいます。彼女の質問や意見は、私たちベテラン医師にとっても新しい視点を提供してくれることが多いです。彼女のような研修医がいることは、私たち医療チームにとって大変貴重です。

タケシ教授:確かに、はな子先生は非常に有望な研修医です。彼女の質問や意見は、症例検討会などでの議論を深める上で非常に役立っています。これからも彼女の成長が楽しみです。

質問を投げかけると議論を延々と続けてくれるので論文に対する理解が深まっていきます。Chat GPTはプロンプト次第でいろいろと活用できそうです。

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