研究

講演会”「第5回 心不全を地域で診る」”に参加しました

「第5回 心不全を地域で診る」という講演会に参加してきました。この講演会は、西京区の病院やクリニックを中心とした医療関係者向けのイベントです。私はセッション1の座長として参加いたしました。心不全について最新の知識を学ぶ良い機会になりました。

講演会は2つのセッションに分かれていました。

セッション1では、「心不全ステージを意識したリスク管理」というテーマで、京都桂病院の溝渕正寛先生がお話しされました。

心不全は、心臓の機能が低下して血液の流れが悪くなる病気で、軽症から重症までステージA~Dに分類されるそうです。心臓から分泌されるBNPやNT-proBNPという物質が、心不全の診断や重症度の目安になるとのこと。最近の研究で、従来よりも低い値でも心不全が疑われるため、早期発見・早期治療が大切だと強調されていました。

症状がなくてもBNPやNT-proBNPが高い場合は、心エコー検査で心臓の状態を詳しく調べる必要があります。そうすることで、将来心不全が悪化するリスクを予測し、早めの治療で重症化を防げるそうです。

セッション2では、「糖尿病内分泌の視点から高血圧治療エンレストを考える」というテーマで、群馬大学の北村忠弘先生がお話しされました。

糖尿病の病態には、グルカゴンというホルモンが関わっているそうです。最近、より正確にグルカゴンを測定する方法が開発され、糖尿病患者さんではグルカゴンの分泌が亢進していることがわかってきたそうです。

また、心不全の新しい治療薬であるエンレストは、心不全の改善だけでなく、糖尿病にも良い効果があることが示唆されているとのこと。ただし、低血糖に注意が必要だそうです。

1時間半の講演会でしたが非常に学ぶことの多い会でした。医療は日進月歩で進歩しています。開業医ですとなかなか講演会に参加することも減ってしまうのですがこのような機会を利用して最新の情報に触れて、疾患理解を深め、病院やクリニックと協力しながら健康管理に取り組んでいきたいと感じました。

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