疾患解説

糖尿病は『痛みなく』心臓と腎臓を蝕む──訃報を機に、無痛性心筋梗塞と糖尿病腎症を解説

ニュース概要

お笑いタレントで「たけし軍団」のグレート義太夫さん(67)が、2026年9月7日に亡くなっていたことが報じられました。ご本人はこれまで、糖尿病と腎不全による人工透析を長く公表され、2024年には心筋梗塞の手術を受けていたと伝えられています(ライブドアニュース/スポーツ報知ほか)。亡くなった原因は現時点で公表されていません。グレート義太夫さんは院長が中高生の頃にタケシ軍団の一員としてよくテレビで拝見していました。巨体ながら温厚そうなキャラクターで院長もファンの一人でした。まずは心よりご冥福をお祈り申し上げます。

糖尿病は、京都市西京区・桂川・桂・洛西口エリアでも非常に多い生活習慣病です。健診で「血糖が高め」「HbA1cが基準を超えている」と言われたまま様子を見ている方にとって、決して他人事ではないテーマです。この記事では、報道を入口に「糖尿病がなぜ、痛みや症状が乏しいまま心臓と腎臓を傷めるのか」を、循環器内科・腎臓内科の視点からやさしく解説します。

医学的背景

糖尿病は、血糖(血液中のブドウ糖)が高い状態が続く病気で、全身の細い血管と神経を少しずつ傷めます。この「静かな進行」が、心臓と腎臓の両方に影響します。

1. 心臓:無痛性心筋梗塞
高血糖が神経を傷めると(糖尿病神経障害)、痛みを感じにくくなることがあります。そのため、心臓の血管が詰まる心筋梗塞が起きても、強い胸の痛みが出ないまま進むことがあります(無痛性心筋梗塞)。胸痛の代わりに、いつもより強い息切れ・冷や汗・吐き気・肩やあご・みぞおちの違和感として現れることもあります。

2. 腎臓:糖尿病腎症
糖尿病は腎臓の細い血管も傷めます。糖尿病腎症は初期にはほとんど症状がなく、尿にわずかなたんぱく(微量アルブミン)が出るところから静かに始まり、進むと足のむくみ・尿の泡立ち・だるさが現れ、放置すると人工透析が必要になることがあります。糖尿病腎症は、日本で透析導入の原因の上位を占めています。

3. 心臓と腎臓はつながっている(心腎連関)
心臓と腎臓は血圧・血液量を通じて支え合い、片方が弱ると他方にも負担がかかります。糖尿病はその両方を同時に傷めるため、血糖・血圧・脂質をまとめて管理することが両方を守る近道です。

なお、血糖・血圧・脂質の薬などを飲んでいる方は、自己判断で中止・減量しないことが重要です。中断は心臓・腎臓のリスクを高めることがあります。用量や継続の判断は必ず主治医とご相談ください。

日常生活で気をつけたいポイント

  1. 血糖とHbA1cを定期的に確認する:症状がなくても、健診や通院で数値の変化を追うことが早期発見につながります。
  2. 尿の検査を受ける:微量アルブミン尿は糖尿病腎症の最も早いサイン。定期的な尿検査が大切です。
  3. 血圧・コレステロールも一緒に整える:心臓・腎臓を守るには血糖だけでなく血圧・脂質の管理が欠かせません。
  4. 禁煙・節酒・減塩・適度な運動:動脈硬化と腎臓への負担をどちらも減らします。
  5. 「いつもと違う」を軽視しない:糖尿病のある方は、痛みが出にくい分、息切れ・冷や汗・強いだるさなどの変化に注意を。

受診の目安

  • 急な強い息切れ・冷や汗・吐き気・肩やあご・みぞおちの違和感が突然起きたとき(糖尿病では胸痛が乏しくても心筋梗塞のことがあります)→ ためらわず119番
  • 足のむくみ、尿の泡立ち、急な体重増加、強いだるさが続くとき(腎臓のサインのことがあります)。
  • 健診で「血糖が高い」「HbA1cが高い」「尿たんぱく」を指摘されたまま様子を見ている方は、症状がなくても一度ご相談ください。

糖尿病のある方の心筋梗塞は「時間との勝負」です。胸が痛くなくても、いつもと違う強い症状があれば迷わず救急要請(119番)を。

まとめ

糖尿病は、痛みや症状が乏しいまま、心臓(無痛性心筋梗塞)と腎臓(糖尿病腎症→透析)を同時に蝕むことがあります。「症状がないから大丈夫」と考えず、血糖・血圧・脂質を定期的にチェックし、まとめて整えることが最良の予防です。

※本記事は一般的な情報提供であり、特定の方の病状を推測するものではありません。服薬(血糖・血圧・脂質の薬など)の変更は自己判断せず、必ず主治医にご相談ください。

当院で相談できること

医療法人グロース 桂川さいとう内科循環器クリニック(京都府京都市西京区下津林南大般若町37番地 リペアス下津林2F/阪急桂駅・JR桂川駅・洛西口・桂川エリア)では、糖尿病の血糖管理に加え、心電図・心エコーによる心臓の評価や、血液・尿検査による腎機能・微量アルブミン尿のチェックを行い、生活習慣病を一括して管理しています。健診結果が気になる方、糖尿病と言われて心臓・腎臓の検査をしばらくしていない方は、お気軽にご相談・ご予約ください。

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引用文献・参考サイト


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