疾患解説

健康診断で『血尿(尿潜血)』を指摘されたら?──あわてなくてよいパターンと、精密検査が必要なパターンを内科・腎臓内科がやさしく解説

ニュース概要

健康診断や人間ドックで、とてもよく指摘される尿の異常の一つが「尿潜血陽性」「血尿」です。夏から秋の健診シーズンには、「尿潜血に+がついていた」「血尿と言われたけれど痛くない」というご相談が、京都市西京区・桂川・桂・洛西口エリアの当院でも増えます。

血尿の見きわめの道しるべとなるのが、日本腎臓学会・日本泌尿器科学会など6学会が合同で作成し、2013年版から10年ぶりに改訂された「血尿診断ガイドライン2023」です(Mindsガイドラインライブラリ収載)。尿潜血は一時的で心配のいらないこともありますが、腎臓や尿路の病気のサインのこともあり、放置してよいかどうかは“タイプの見きわめ”が大切です。ここでは、その違いと受診の目安を整理します。

医学的背景

血尿とは「尿の中に赤血球が混じっている状態」で、大きく2つに分けられます。目で見て色の変化がわかる肉眼的血尿と、見た目は普通でも顕微鏡で赤血球がみつかる顕微鏡的血尿です。ガイドラインでは顕微鏡的血尿を「尿沈渣で400倍1視野あたり赤血球5個以上」と定義しています。健診の尿潜血反応(試験紙)はこれを拾い上げるふるい分け検査で、陽性でも実際の赤血球は少ないこともあり、次の検査での確認が重要です。

  • 一時的・良性のことも:運動後・発熱時・月経前後などで一時的に陽性になることがあり、再検査で確認します。
  • 痛みのない肉眼的血尿は要注意:膀胱がん・腎がん・尿路上皮がんなど尿路の悪性腫瘍が、痛みのない血尿で見つかることがあります。中高年・喫煙歴・男性でリスクが上がり、泌尿器科での精密検査(尿細胞診・超音波・CT・膀胱鏡など)が勧められます。
  • 蛋白尿をともなう血尿は腎臓のサイン:尿沈渣で変形赤血球(糸球体型赤血球)や円柱がみられたり、蛋白尿を合併する場合は、IgA腎症などの糸球体腎炎が疑われ、腎臓内科での評価が勧められます。
  • 血尿・蛋白尿・高血圧=CKDの入口:これらがそろうと慢性腎臓病(CKD)の可能性があり、CKDは心筋梗塞・脳卒中・心不全など心血管疾患のリスクを高めます。

なお、尿潜血・血尿の意味は年齢・症状・ほかの検査結果を合わせて判断します。健診の判定を自己判断で解釈・放置せず、指摘を受けたら内科・腎臓内科などでご相談ください。

日常生活で気をつけたいポイント

  1. 健診結果の判定(再検査/要精密検査)に従う:とくに「要精密検査」は放置せず、期限内に受診しましょう。
  2. 過去の健診結果を保管して持参する:以前から尿潜血があるのか、今回初めてなのかで意味が変わります。お薬手帳とあわせて持参を。
  3. 痛みのない血尿(赤い・茶色い尿)は必ず受診:一度で止まっても「治った」と思わず、泌尿器科的な精密検査につなげましょう。
  4. 高血圧・糖尿病・脂質異常症を整える:これらは腎臓・血管を傷める要因です。血尿・蛋白尿がある方はとくに、生活習慣の見直しと定期通院を。
  5. 自己判断で市販薬・サプリに頼らない:原因を確かめないまま様子を見続けるのは避け、まず検査で原因を見きわめましょう。

受診の目安

  • 健診・人間ドックで「尿潜血陽性」「血尿」と指摘され、要再検査・要精密検査と判定されている
  • 痛みをともなわない肉眼的血尿(赤い・茶色い尿)が出た
  • 血尿に加えて蛋白尿・高血圧・むくみ・尿の泡立ちなどがある
  • 喫煙歴があり中高年で、血尿を指摘された

次のような場合は、早めの受診(状況により救急)を検討してください。

  • 強い腰・背中・わき腹の痛みをともなう血尿(尿路結石などの可能性)
  • 発熱・排尿時痛をともなう血尿(尿路感染症・腎盂腎炎の可能性)
  • 血のかたまり(凝血塊)が出て尿が出にくい

まとめ

尿潜血・血尿は健診でよくみられる所見で、一時的で心配のいらないこともありますが、痛みのない肉眼的血尿は尿路の病気を、蛋白尿をともなう血尿は腎臓(糸球体)の病気を調べる大切なサインです。血尿・蛋白尿・高血圧がそろうと慢性腎臓病(CKD)=将来の心血管リスクにもつながります。まずは尿検査・血液検査・エコーで“どのタイプの血尿か”を確かめることが安心への第一歩です。

※本記事は一般的な情報提供であり、個別の診断・治療に代わるものではありません。尿異常の解釈や検査の要否は自己判断せず、必ず主治医にご相談ください。

当院で相談できること

医療法人グロース 桂川さいとう内科循環器クリニックは、京都府京都市西京区下津林南大般若町37番地 リペアス下津林2Fにあり、阪急桂駅・JR桂川駅・洛西口・桂川エリアからご来院いただけます。

健診で尿潜血・血尿を指摘された方は、結果の紙を一枚お持ちいただくだけでも大丈夫です。当院では尿検査(尿沈渣・尿蛋白)・血液検査(腎機能)・腹部(腎・膀胱)エコーなどを組み合わせて血尿のタイプを評価し、生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常症)や腎臓・心臓・血管の状態もあわせて確認します。泌尿器科的な精密検査(尿細胞診・膀胱鏡など)が必要な場合は適切な医療機関へおつなぎします。

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引用文献・参考サイト


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