血管を若く保って、脳を守る 〜動脈硬化と認知症の深い関係〜
2026年5月14日、、西京老人福祉センター「すこやか講座」にて発表をさせていただきました。
今回のテーマは、
「血管を若く保って、脳を守る」
〜循環器医が教える動脈硬化と認知症の深い関係〜
です。
当日は約60名の方にお集まりいただきました。
昼休みの時間帯にもかかわらず、多くの方が熱心に耳を傾けてくださり、本当にありがたく感じました。
認知症を「脳だけの病気」として考えない
認知症というと、どうしても「脳の病気」というイメージが強いかもしれません。
もちろん、それは間違いではありません。
しかし実際には、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、運動不足、難聴、社会的孤立など、日々の生活習慣や血管の健康とも深く関係しています。
循環器内科では、普段から高血圧や動脈硬化、不整脈、心不全などを診療しています。
これらは心筋梗塞や脳梗塞の予防だけでなく、長い目で見ると脳の健康を守ることにもつながります。
今回の講演では、最新の研究も紹介しながら、
- 認知症には予防できる部分があること
- 日本では難聴、運動不足、高LDLコレステロールが重要な因子として示されていること
- 血圧や糖尿病、脂質管理が脳の健康にも関わること
- 今日からできる行動として、減塩、運動、禁煙、聞こえの確認、人とのつながりが大切であること
などをお話ししました。
アンケートをいただきました
講演後にはアンケートもいただきました。
アンケート集計では、参加人数58名、回答20名とのことでした。
感想としては、
- 「大変参考になりました」
- 「認知症も予防できるとのお話だったので、努力しようと思います」
- 「自分でできること、体操なども実行しなくてはと思いました」
- 「外に出て人と交流して、体を動かしていこうと思いました」
- 「ランセットという存在を初めて知りました」
といった前向きなお声をいただきました。
一方で、
- 声が小さく聞き取りにくかった
- もう少しゆっくり話してほしかった
- レジュメがあると帰宅後に振り返りやすい
- 質問内容が聞こえにくかった
というご意見もいただきました。
これはとても大事なご指摘でした。
特にご高齢の方に向けた講演では、内容そのものだけでなく、声の大きさ、話すスピード、資料の見やすさ、振り返りやすさがとても重要だと改めて感じました。
次回以降は、マイクの使い方や話す速度、配布資料の工夫など、より聞きやすく、分かりやすい講演になるよう改善していきたいと思います。
地域に貢献できる機会をいただきました
クリニックでの診療は、どうしても「受診された患者さんを診る」ことが中心になります。
しかし今回のように、地域の皆さまに向けて健康情報をお伝えする機会は、普段の診療とはまた違った意味があります。
認知症は、ご本人だけでなく、ご家族、介護、通院、服薬管理、生活の自立など、地域全体に関わるテーマです。
だからこそ、医療機関だけで完結するのではなく、地域の施設、介護、行政、家族、そしてご本人がつながっていくことが大切だと感じています。
今回、少しでも地域の皆さまの健康づくりに貢献できたのであれば、とても嬉しく思います。
最後にお伝えしたこと
講演の最後には、次のようなお話をしました。
認知症は、すべてを予防できる病気ではありません。
年齢や体質、さまざまな要因が重なって起こるため、どれだけ気をつけていても防ぎきれない場合もあります。
しかし一方で、生活習慣病の改善、運動、禁煙、難聴への対応、社会とのつながりを保つことなど、認知症のリスクを減らすためにできることもあります。
つまり、できる範囲で血管や体の健康を守ることが、脳を守ることにもつながるということです。
当院も、地域のかかりつけ医として、日々の健康づくりや不安の相談の支えになれればと思っています。
「最近もの忘れが気になる」
「家族の様子が少し心配」
「血圧や糖尿病のことも含めて相談したい」
そのようなときは、どうぞお気軽にご相談ください。

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