はじめに
心臓の弁に関する病気は、初期には自覚症状が少なく、気づかないうちに進行していることがあります。今回ご紹介するのは、「症状が出る前でも早めに治療したほうが長生きにつながるかもしれない」という、とても大切な研究結果です。ご自身やご家族の健康を守るためのヒントとして、ぜひお読みください。
「重症の大動脈弁狭窄症」に早期手術で10年後の死亡リスクが低下
心臓には血液の流れを一方向に保つための「弁」が4つあります。そのうちの1つ「大動脈弁」が硬く狭くなり、血液がスムーズに送り出せなくなる病気を大動脈弁狭窄症(だいどうみゃくべん きょうさくしょう)といいます。加齢とともに増える病気で、特にご高齢の方に多く見られます。
今回、世界的に権威のある医学雑誌「NEJM(ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン)」に、「RECOVERY試験」と呼ばれる研究の10年間にわたる長期追跡結果が発表されました。
この研究では、非常に重症の大動脈弁狭窄症の患者さんを2つのグループに分けました。1つは「症状が出る前に早めに手術(弁を人工弁に取り替える手術)を行うグループ」、もう1つは「症状が出てから手術を行う従来の方法のグループ」です。
その結果、早めに手術を受けたグループのほうが、10年後に心臓が原因で亡くなるリスクが低かったことがわかりました。つまり、「症状が出るまで様子を見る」よりも、「重症であれば症状がなくても早めに手術を検討する」ほうが、長い目で見て心臓を守れる可能性があるということです。
ただし、手術にはリスクも伴いますので、すべての方に当てはまるわけではありません。患者さんお一人おひとりの状態に合わせて、最適なタイミングを主治医と相談することが大切です。
患者さんへのポイント:
- 健康診断や診察で「心臓に雑音がある」と言われたことがある方は、一度くわしい検査(心臓超音波検査など)を受けてみましょう。
- 階段や坂道での息切れ、胸の圧迫感、めまいなどの症状がある方は、早めにかかりつけ医にご相談ください。
まとめ・当院からのメッセージ
心臓弁膜症は早めに見つけて、適切な時期に治療することで、その後の生活の質を大きく守ることができます。当院では心臓超音波検査(心エコー)による弁膜症の評価を行っております。「最近なんとなく息切れが増えた」「心臓が気になる」という方も、お気軽にご相談ください。早めの相談が、未来の安心につながります。
参考・引用元
ご不明な点はお気軽にご相談ください。

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