最近はインフルエンザB型が陽性になる患者さんが増えてきています。「冬の初めにA型にかかったのに、また熱が出た」「B型は軽いって聞くけど本当?」といった不安の声をよく耳にします。
そこで今回は、最新のデータに基づいたインフルエンザA型とB型の違いについて、わかりやすく解説します。
1. そもそもウイルスとしての「育ち」が違います
インフルエンザウイルスにはいくつかの型がありますが、流行の中心はA型とB型です。
- A型は「旅人」人間だけでなく、鳥やブタなど動物にも感染します。そのため、ウイルスが混ざり合って劇的に形を変えることがあり、世界的大流行(パンデミック)を起こす力を持っています。
- B型は「人間中心」基本的に人間同士の間で流行します。A型のような爆発的な変化は少ないですが、その分、私たちの生活に密着して毎年しぶとく流行します。
2. A型とB型の特徴比較
それぞれの違いをまとめると、以下のようになります。
| 項目 | A型 | B型 |
| 主な流行時期 | 11月〜1月頃(流行の立ち上がりが早い) | 2月〜4月頃(春先に流行することが多い) |
| 発熱 | 38〜39℃以上の高熱が出やすい | A型ほど上がらないこともあるが、長引く傾向 |
| 全身症状 | 関節痛、筋肉痛、強い倦怠感が顕著 | A型と同様だが、消化器症状が目立つことも |
| 特徴的な症状 | 呼吸器症状(咳、鼻水)が強く出やすい | 腹痛、下痢、嘔吐などの消化器症状が出やすい |
3. 「B型は軽い」は本当?
結論から言うと、症状だけでA型かB型かを判断するのは非常に難しいのが現実です。
以前は「B型は熱が上がりにくい」と言われることもありましたが、実際にはB型でも高熱が出ます。表にある通り、B型は消化器症状が出やすいといった特徴はありますが、「A型だから重い」「B型だから軽い」と決めつけるのは禁物です。
4. B型の不思議:消えた(?)「山形系統」
B型には、さらに「ビクトリア系統」と「山形系統」という2つのグループがあります。
実は、山形系統は2020年以降、世界中で一度も確認されていません。
もしかしたら絶滅したのではないかという議論もされていますが、世界保健機関(WHO)などは慎重に状況を見守っています。現在のワクチンは、念のためどちらの系統にも対応できるよう作られています。
5. 治療薬の効き方に違いはあるの?
皆さんがよく耳にする「タミフル」や「ゾフルーザ」といったお薬は、A型・B型どちらにも効果があります。
ただし専門的な研究データでは、B型に対しては「タミフル」よりも、新しいタイプの薬(ゾフルーザなど)の方が、ウイルスを減らしたり熱を下げたりする効果がスムーズに現れるという報告もあります。
当院では、患者さんの年齢や症状、その時の流行状況に合わせて、最も適したお薬をご提案しています。
院長からのアドバイス
インフルエンザは、A型にかかった直後にB型にかかってしまうことも珍しくありません。「一度かかったから大丈夫」と油断せず、手洗いなどの対策を続けましょう。
もし熱が出たり、周囲にインフルエンザの方がいたりする場合は、無理をせず早めに相談してください。

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