論文解説

朝に飲むコーヒーが健康に良い?コーヒー摂取のタイミングと死亡リスクの関係

私も毎朝コーヒーを飲むのが習慣になっています。そんな私にとって、コーヒーの健康効果に関する研究は常に気になるテーマです。今回、「朝にコーヒーを飲むことで死亡リスクが低下する可能性がある」という興味深い論文を見つけたので、ご紹介します(1)。


コーヒーの摂取と健康への影響

これまでの研究では、適量のコーヒー摂取が以下の健康効果と関連すると報告されています(1)。

心血管疾患のリスク低下
2型糖尿病の予防
抗炎症作用による健康促進
認知機能の維持

しかし、コーヒーの摂取量だけでなく、「飲む時間帯が健康にどう影響するのか」については十分に検討されていませんでした。


最新研究:コーヒーの摂取タイミングと死亡リスクの関係

2025年にEuropean Heart Journalに掲載された研究では、米国の成人を対象に、コーヒーの摂取タイミングと死亡リスクの関係を調査しました(1)。

研究の概要

  • 対象者:40,725人(1999〜2018年のNHANESデータ)
  • コーヒー摂取の分類
    • 朝型(Morning type):朝にコーヒーを飲む習慣がある
    • 終日型(All-day type):1日を通してコーヒーを飲む
    • 非摂取者(Non-drinker):コーヒーを飲まない
  • 追跡期間:中央値9.8年

主な研究結果

  • 朝型のコーヒー摂取者は、非摂取者に比べて死亡率が低い
    • 全死亡率 16%減少(HR: 0.84, 95% CI: 0.74–0.95)
    • 心血管疾患死亡率 31%減少(HR: 0.69, 95% CI: 0.55–0.87)
  • 終日型のコーヒー摂取者では、死亡リスクの低下は見られなかった

この研究から、**「朝にコーヒーを飲むことが健康リスクを低下させる可能性がある」**ことが示されました。


なぜ「朝のコーヒー」が健康に良いのか?

この研究では、朝にコーヒーを飲むことが健康に良い理由として以下の2点が指摘されています(1)。

1. 体内リズム(サーカディアンリズム)との関係

人間の体内時計は朝に活動が活発になり、夜に向かって徐々に低下する仕組みになっています。

しかし、午後や夜にコーヒーを飲むと、カフェインの影響で睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が抑えられ、睡眠の質が低下する可能性があります(1)。

→ 朝にコーヒーを飲むことで、自然な体内リズムに合わせた健康的なエネルギー補給ができる!

2. コーヒーの抗炎症作用が朝に有効

コーヒーには、クロロゲン酸をはじめとするポリフェノールが含まれており、炎症を抑える効果があります(1)。

特に、体内の炎症マーカー(CRPやIL-6など)は朝にピークを迎えるため、朝にコーヒーを摂取することで、より効果的に炎症を抑えられる可能性があります(1)。


朝のコーヒーを健康的に楽しむためのポイント

朝食と一緒に飲む
👉 空腹時のコーヒーは胃に負担をかけるので、朝食と一緒に摂取すると良い

ブラックコーヒーがベスト
👉 砂糖やミルクを多く加えるとカロリー過多になるので注意

1日3杯までが適量
👉 研究では「1日2〜3杯」が最適な健康効果を示した(1)


まとめ:コーヒーは「朝に飲む」のがベスト!

朝にコーヒーを飲む人は、全死亡率・心血管疾患死亡率が低い
午後・夜のコーヒーは体内リズムを乱し、健康リスクを高める可能性
朝食と一緒にブラックコーヒーを飲むのが理想的

コーヒーを飲むなら、朝が正解!

普段のコーヒー習慣を見直し、健康に良いタイミングでコーヒーを楽しんでみましょう。


引用文献

(1) Wang X, Ma H, Sun Q, et al. Coffee drinking timing and mortality in US adults. Eur Heart J. 2025;00:1–11. doi:10.1093/eurheartj/ehae871

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。