はじめに
心臓の弁に関する病気は、日頃自覚症状がなくても健康診断や心エコー検査で見つかることがあります。今回は、生まれつき心臓の弁の形が通常と異なる「二尖大動脈弁(にせんだいどうみゃくべん)」という状態について、最新の研究成果をもとにわかりやすくお伝えします。ご自身やご家族の心臓の健康を考えるきっかけにしていただければ幸いです。
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「二尖大動脈弁」の遺伝的な原因が大規模研究で明らかに
心臓には血液の逆流を防ぐ「弁」が4つあります。そのうち、心臓から全身に血液を送り出す出口にある「大動脈弁」は、通常3枚のふた(弁尖)でできています。ところが、生まれつき2枚しかない方がおり、これを二尖大動脈弁と呼びます。実はこれは最も多い生まれつきの心臓の異常のひとつで、人口の約1〜2%(50〜100人に1人)に見られるとされています。
二尖大動脈弁そのものは、すぐに問題を起こすとは限りません。しかし年齢を重ねるにつれて、弁が硬くなって開きにくくなる「大動脈弁狭窄症」や、弁がうまく閉じなくなる「大動脈弁閉鎖不全症」、さらには大動脈が広がってしまう「大動脈瘤」につながる可能性があることが知られています。
今回、米国の循環器学会の権威ある医学誌『Circulation』に発表された研究では、約65,000人以上(うち二尖弁の方が約9,600人)のデータを集めた大規模な遺伝子解析が行われました。その結果、二尖大動脈弁に関わる複数の遺伝子の候補が新たに見つかり、さらにこの病気がたった一つの遺伝子ではなく、多くの遺伝子が少しずつ影響し合って起こることが示されました。これは、将来的にリスクの高い方を早期に見つけたり、個人に合った経過観察の方法を考えたりするための重要な一歩です。
この研究はまだ基礎的な段階ですが、遺伝的な仕組みの理解が進むことで、将来の予防法や治療法の開発につながることが期待されています。
患者さんへのポイント:
- 健康診断や心エコー検査で「弁の形が少し違う」と言われたことがある方は、定期的な心臓の検査(心エコーなど)を続けることが大切です。早期に変化を見つけることで、適切なタイミングで対応できます。
- ご家族に心臓弁膜症や大動脈の病気を持つ方がいらっしゃる場合は、一度心臓の検査を受けてみることをおすすめします。
まとめ・当院からのメッセージ
二尖大動脈弁は珍しくない生まれつきの特徴であり、多くの方が日常生活を問題なく送っておられます。大切なのは「知っておくこと」と「定期的にチェックすること」です。当院では心エコー検査をはじめとした心臓の検査を行っておりますので、弁膜症や心臓の状態が気になる方はどうぞお気軽にご相談ください。
参考・引用元
医療法人グロース 桂川さいとう内科循環器クリニック
ご不明な点はお気軽にご相談ください。

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