本日、クリニックの昼休みを利用して、高カリウム血症の治療に用いられる新しい薬「ロケルマ」についてのオンライン勉強会に参加しました。発熱外来も一段落しており比較的ゆっくりと診療ができております。今回は、その勉強会で学んだロケルマの特徴と使い方についてシェアしたいと思います。
ロケルマとは?
ロケルマは、2020年に日本で承認された高カリウム血症の治療薬です。高カリウム血症は、血液中のカリウム濃度が高くなる状態で、腎臓の病気やある種の血圧の薬を使用している人に起こりやすいのだそうです。
ロケルマの特徴
勉強会では、ロケルマの主な特徴として以下の点が紹介されました。
- 速効性:飲んでから1時間以内に血液中のカリウム濃度が下がり始めます。
- ナトリウム負荷がない:従来の治療薬であるケイキサレートと違い、ナトリウム負荷がありません。
- 長期使用可能:長期間使っても安全で、カリウム濃度を適切に管理できます。
ロケルマの服用方法
ロケルマは粉末状の薬で、最初は10gを1日3回服用するそうです。カリウム濃度が目標値に達したら、5gを1日1回に減らすとのことでした。水やりんごジュースに混ぜて飲むのが一般的だそうですが、りんごジュースは酸味とトロミが飲みやすさを高めるのでおすすめだそうです。
注意点
ロケルマを服用すると、カリウム濃度が低くなりすぎたり、便秘や下痢、吐き気などの副作用が現れることがあるそうです。定期的に血液検査を受けて、カリウム濃度をチェックすることが大切だと強調されていました。また、長期的な安全性については、まだ十分な研究がないので注意が必要とのことでした。
効果は実証済み
勉強会では、日本で行われたJ-LTS試験の結果も紹介されました。それによると、ロケルマを52週間服用し続けた人の85.8%で、カリウム濃度が正常範囲内に保たれたそうです。主な副作用は、カリウム濃度の低下、便秘、むくみだったそうですが、重篤な副作用は報告されなかったとのことでした。
RAAS阻害薬との併用
勉強会の最後に、ロケルマと高血圧や心不全、腎臓病などの治療に使われるRAAS阻害薬との併用についても議論がありました。ロケルマを併用することで、RAAS阻害薬の副作用である高カリウム血症を抑えながら、長期的に使用できる可能性があるそうです。ただし、注意深くモニタリングする必要があるとのことでした。
まとめ
オンライン勉強会に参加して、ロケルマについて多くのことを学びました。ロケルマは高カリウム血症の治療に効果があり、比較的飲みやすい薬だそうです。しかし、副作用や注意点もあるので、医師や薬剤師の指示に従って正しく使うことが大切だと感じました。
最後にロケルマという薬の名前の由来ですがLo”は低いという意味の”Low”を表し、”Kalema”はカリウム(Potassium)と血液(haima)を組み合わせた造語だと考えられます。つまり、”Lokelma”は「低カリウム血症」を意味し、この薬がカリウムを低下させる効果を持つことを示唆しているように考えます。
また、名前の響きも洗練されていて、覚えやすいですね。製薬会社は、製品名を決める際に、効果や特徴を表現するだけでなく、言語的な美しさやインパクトも考慮しているのでしょう。
この勉強会で得た知識を、日々の診療に活かしていきたいと思います。
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