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「謎の風邪」が流行?

最近、SNSやニュースで「謎の風邪」という言葉が広がっています。報道では、のどの痛み、咳、鼻水が長引く一方で、発熱が目立たないケースが多く、インフルエンザや新型コロナの検査では陰性になる人もいる、と紹介されています。福岡県医師会も「ウイルスによる感染症」との見方を示しつつ、詳しい原因は調査中とされています。

ただし、「謎の風邪」という名前の新しい病気が公式に確認された、という意味ではありません。風邪の原因ウイルスは非常に多く、検査で名前がつかないことも珍しくありません。厚生労働省は、咽頭炎・鼻炎・気管支炎・肺炎などをまとめて急性呼吸器感染症(ARI)として扱っており、ここにはインフルエンザ、新型コロナ、RSウイルス、咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、ヘルパンギーナなどが含まれます。

いま考えられる原因

現時点では、特定の1つの病原体が原因と決まっているわけではありません。候補としては、一般的な風邪ウイルス、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス、アデノウイルス、溶連菌、百日咳などが考えられます。ヒトメタニューモウイルスは昔からある呼吸器ウイルスで、咳、発熱、鼻づまり、息切れなどを起こすことがあり、特効薬はなく基本的には対症療法です。

最新の全国データでは、国立健康危機管理研究機構が2026年第19週、5月4日〜10日の速報を5月19日に掲載しており、次回の第20週データは5月26日更新予定です。第19週の全国集計では、新型コロナの定点当たり報告数は3週連続で減少、急性呼吸器感染症全体も前週より減少とされていますが、ゴールデンウィーク中は受診数の影響を受けやすいため、単純に「流行が終わった」とは言い切れません。

京都府では、2026年第20週のデータが5月21日に掲載され、南丹でA群溶血性レンサ球菌咽頭炎が警報レベル、乙訓で咽頭結膜熱が新たに警報レベル、水痘も注意報レベルまで増加したとされています。のどの痛みや発熱、咳、鼻症状がある場合、「ただの風邪」と決めつけず、地域で流行している感染症も考える必要があります。

お伝えしたいポイント

多くは自然に改善するウイルス性の風邪ですが、長引く咳、強いのどの痛み、発熱、息苦しさがある場合は注意が必要です。特に、咳が2週間以上続く場合は百日咳、発熱や膿のような痰・胸痛・息切れがある場合は肺炎、強い咽頭痛や発熱が目立つ場合は溶連菌なども考えます。

自宅では、休養、水分摂取、室内の加湿、手洗い、咳エチケット、必要時の解熱鎮痛薬などが基本です。ウイルス性の風邪には抗生剤は効きません。周囲にうつさないため、咳や鼻水がある間はマスクを使い、体調不良時は無理に出勤・登校しないことが大切です。厚労省もARI対策として、手洗い・換気・状況に応じたマスク着用などの基本的な感染対策を示しています。

受診の目安

次のような場合は、早めに医療機関へ相談してください。

症状考えること
息苦しい、ゼーゼーする、胸が痛い肺炎、喘息悪化、心肺疾患など
38℃以上の発熱が続くインフルエンザ、コロナ、肺炎、溶連菌など
のどが強く痛い、飲み込めない溶連菌、扁桃炎、咽頭結膜熱など
咳が2週間以上続く、咳き込みで眠れない百日咳、咳喘息、肺炎後咳嗽など
高齢者、乳幼児、妊婦、心臓・肺の病気がある方重症化しやすいため早めの相談を

まとめ

「謎の風邪」と言われていますが、現時点では未知の危険な新感染症が確認されたというより、複数の呼吸器感染症が重なって見えている可能性が高いです。多くは軽症で改善しますが、長引く咳や強いのどの痛み、息苦しさがある場合は、コロナ・インフル以外の感染症も含めて診察で確認しましょう。

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