1. シンポジウムの概要
2025 年 7 月 17 日の昼休みにオンライン開催された 「Change COPD TV Symposium」 に参加し、森山記念病院 副院長兼循環器センター長 清末 有宏先生 の講演を聴講しました。講演テーマは
循環器疾患に潜む COPD 〜合併時のインパクトと治療の最新知見まで〜
でした。自身への復習としてAIを活用して要点をわかりやすくまとめてみました。
2. COPDってどんな病気?
- 主に長期の喫煙や大気汚染で気道が狭くなり、息を吐きにくくなる 慢性の肺疾患
- 主症状は せき・痰(たん)・息切れ
- ぜんそくの死亡が減る一方、COPDは増加 しており見逃しに注意
3. 心臓病とCOPDが重なるとどうなる?
心臓病 | COPD合併時の影響* |
---|---|
心不全 | 1年生存率が 約50 % に低下 |
心房細動 | 発症リスク 約6倍 |
心血管死 | 死亡リスク 約4倍 |
*清末先生が紹介した複数の海外・国内研究 |
- COPDの 増悪(風邪などで症状が急に悪化)後は、1年間 心臓への負担が続きやすい
- 全身性炎症・酸化ストレス・貧血などが心臓を弱らせる要因に
4. 早めにチェック!セルフスクリーニング
- 以前より息切れが出るのが早い
- 階段や坂で 胸と同時に肺も苦しい
- 朝晩の せき・粘い痰 が増えた
- CATスコア(8つの質問票)が 10点以上
心当たりがあれば、呼吸機能検査(スパイロメトリー) を受けましょう。
5. 最新治療「トリプルセラピー」
ポイント | 詳細 |
---|---|
吸入薬3剤併用 | ICS+LABA+LAMA(吸入ステロイド+気管支拡張薬2種) |
効果 | FEV₁改善、咳・痰・息切れ軽減、増悪25〜30%減、死亡リスク↓(NNT=80) |
デバイスの進化 | 吸う力が弱くても薬剤が届きやすいPMDなど |
安全性 | 大規模試験で心臓イベント増加なし |
使い方のコツ
- 症状が残る/増悪が続く 場合に導入
- 血中好酸球数 を参考にICS継続を判断
- 症状が落ち着けば 2剤へステップダウン も可能
6. 心臓も肺も守るために
- β遮断薬は原則続行(心不全治療の基本)
- 呼吸器治療も並行することで 予後が大きく改善
- 増悪予防=心臓を守る近道
7. 受診前に準備すると良い4項目
- 症状メモ(いつ・何をすると苦しいか)
- 喫煙歴(本数・年数)
- 服用中の薬(心臓・血圧・糖尿病薬など)
- 過去の検査結果(心電図・胸部CTなど)
8. まとめ
COPD TVシンポジウムで学んだ最大の教訓は、
「息切れを年齢や心臓病のせいだけにしない」
ことでした。心臓と肺は密接に関係しています。早期発見で息切れのない毎日 を目指しましょう。当院でも呼吸機能検査などを活用しCOPD診療も行っております。気になる症状があれば遠慮なくご相談ください。
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