冬になると、「牡蠣を食べた後にお腹を壊した」という患者さんが増えています。
特に、この時期はノロウイルスによる食中毒が流行しやすく、注意が必要です。
今回は、牡蠣を食べた後の下痢の原因、検査方法、治療法、予防策についてわかりやすく解説します。
また、ノロウイルス検査の保険適用の条件や当院での対応についてもお伝えしますので、気になる方はぜひ最後までお読みください。
牡蠣を食べた後の下痢、原因は?
牡蠣を食べた後にお腹を壊す原因として、以下のようなものがあります。
① ノロウイルス(冬場に多い!)
牡蠣による食中毒で最も多いのがノロウイルス感染です。
ノロウイルスは非常に感染力が強く、わずか10~100個のウイルスでも発症するため、生牡蠣を食べた後は特に注意が必要です。
② 腸炎ビブリオ(夏場に多い!)
腸炎ビブリオは海水中にいる細菌で、夏場に食中毒を起こしやすいです。
生牡蠣の表面に付着して増殖し、加熱不十分な場合に感染することがあります。
③ 貝毒(1年中発生する可能性あり!)
牡蠣が海の中で有害なプランクトンを食べると、貝毒が蓄積されることがあります。
貝毒には**「下痢性貝毒」と「麻痺性貝毒」**の2種類があり、それぞれ症状が異なります。
④ 牡蠣アレルギー
牡蠣に含まれる**「トロポミオシン」**というタンパク質がアレルギーの原因になることがあります。
エビやカニのアレルギーがある方は、牡蠣にも注意が必要です。
検査方法
ノロウイルスの検査
ノロウイルス感染が疑われる場合、便の迅速抗原検査で診断することができます。
しかし、ノロウイルスの検査はすべての方に保険適用されるわけではありません!
🔹 保険適用になる方
✅ 3歳未満の患者さん
✅ 65歳以上の患者さん
✅ 悪性腫瘍の診断を受けている患者さん
✅ 臓器移植後の患者さん
✅ 抗がん剤、免疫抑制剤を使用している患者さん
上記に該当しない場合、ノロウイルスの検査は基本的に保険適用外となります。
*当院ではノロウイルス迅速検査を実施しておりません。
治療方法
牡蠣を食べた後に下痢をした場合、基本的には**対症療法(症状を和らげる治療)**が中心となります。
💧 まずは水分補給をしっかりと!
- 経口補水液(OS-1 など)が最適
- スポーツドリンクもOK(ただし糖分が多いため薄めて飲むのが◎)
- 嘔吐がひどいときは、少しずつゆっくり飲む
💊 整腸剤の活用
- 乳酸菌・ビフィズス菌の入った整腸剤で腸内環境を整える
❌ 下痢止めは基本的に使わない
- ウイルスや細菌を体外に排出することが大切!
- どうしても症状がひどい場合は、医師に相談してください
アレルギーの場合
- 軽症:抗ヒスタミン薬(アレルギー薬)
- 重症(呼吸困難など):アドレナリン自己注射(エピペン)と救急搬送
牡蠣による食中毒を防ぐには?
✅ 生牡蠣は信頼できるお店で購入する
✅ しっかり加熱する(85~90℃で90秒以上)
✅ 調理器具をしっかり洗浄・消毒する
✅ 手洗いを徹底する(特にノロウイルス対策として重要!)
まとめ
牡蠣を食べた後に下痢をした場合、ノロウイルスが原因の可能性が高いですが、細菌感染や貝毒、アレルギーの可能性もあります。治療の基本は水分補給と対症療法ですが、症状が強い場合は医療機関を受診しましょう!
当院では、症状に応じた治療やアドバイスを行っております。
お困りの方は、お気軽にご相談ください!
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