疾患解説

西田敏行さんの死因となった虚血性心疾患とは?狭心症や心筋梗塞に注意

2024年10月17日に76歳で亡くなられた俳優の西田敏行さんの死因は、「虚血性心疾患」でした。この病気は、心臓への血流が不足することで発症し、時には突然死を引き起こすこともあります。この記事では、虚血性心疾患の概要やそのリスク、そしてクリニックにおける治療と予防の重要性について詳しく解説します。

虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)とは?

虚血性心疾患は、心臓に酸素を供給する冠動脈が狭くなったり詰まったりすることで、心筋への血流が不足し、胸痛や息切れを引き起こす病気です。よく知られているタイプには狭心症心筋梗塞があります。

  • 狭心症は、冠動脈が一時的に狭くなり、運動やストレス時に胸に痛みや圧迫感を感じることがあります。休むと症状が和らぐことが多いですが、進行すると心筋梗塞につながる可能性があります。
  • 心筋梗塞は、冠動脈が完全に詰まり、心筋が壊死してしまう状態で、激しい胸痛や息切れが特徴です。この状態が続くと心臓の機能が急速に悪化し、緊急の治療が必要となります。

緊急時の心筋梗塞治療

心筋梗塞は一刻を争う病状であり、緊急の治療が不可欠です。私も以前、大学病院勤務時には、夜中に呼ばれて心筋梗塞の患者さんを治療することがよくありました。緊急カテーテル治療を行い、冠動脈の閉塞を解除して血流を回復させることが患者さんの命を救うための重要なステップでした。

虚血性心疾患は早期に心筋梗塞の兆候を見逃さずに発見することが重要です。患者さんの症状や検査結果から、心筋梗塞や狭心症のリスクが高い方を特定し、適切なタイミングで大学病院や専門施設へと迅速に紹介することが、クリニックでの役割となります。

カテーテル治療とLDLコレステロール管理の重要性

当院では、カテーテル治療を受けた後のフォローアップも含め、心臓の健康管理に力を入れています。カテーテル治療では、詰まった冠動脈を拡張して血流を回復させるため、発症直後の治療が非常に効果的です。

また、虚血性心疾患の発症を予防するためには、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)のコントロールが重要です。LDLコレステロールは、動脈硬化の主要な原因となり、冠動脈の狭窄や閉塞を引き起こします。日常的にコレステロール値をチェックし、食事や薬によって適切に管理することで、狭心症や心筋梗塞のリスクを大幅に減らすことが可能です。

予防と早期発見が鍵

虚血性心疾患を予防し、重篤な症状を回避するためには、以下のような予防策が有効です。

  • 禁煙:タバコは動脈を狭め、血流を悪化させるため、禁煙は最も重要な予防策の一つです。
  • 食生活の見直し:脂肪分や塩分を控え、野菜や魚を中心としたバランスの良い食事を心がけましょう。
  • 適度な運動:週に3~5回、30分程度の有酸素運動(ウォーキングや軽いジョギングなど)が心臓の健康維持に役立ちます。
  • 定期的な健康診断:特に、コレステロール値や血糖値、高血圧の有無を定期的にチェックし、リスクを早期に発見することが大切です。

まとめ

西田敏行さんが亡くなられた虚血性心疾患は、冠動脈の血流が阻害されることで心臓に重大な影響を与える疾患です。特に心筋梗塞は、緊急の治療を要する病気であり、迅速な対応が患者さんの命を救います。当院では、患者さんの早期発見とLDLコレステロール管理を中心に予防活動を行っています。生活習慣の改善や定期的な診断を通じて、心臓の健康を維持することが大切です。

最後に、西田敏行さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。


参考文献

(1) Mainichi Shimbun. Nishida Toshiyuki-san Shiin, Ischemic Heart Disease, 2024. https://mainichi.jp/articles/20241019/k00/00m/040/200000c
(2) 日本循環器学会. 虚血性心疾患に関するガイドライン, 2020.
https://www.j-circ.or.jp

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コメント

    • 西城義信
    • 2025.02.24

    虚血性心疾患を罹患している初老の67歳男性です。
    以前、大阪の中心部を歩いていた時、季節は夏でした。
    急に胸の辺りが苦しくなり、吐き気や胸部鈍痛、冷や汗等に、咄嗟に心筋梗塞と自ら判断しました。高血圧症もあり、以前から病気について調べていましたので冷静に対処、百貨店の案内所に駆け込み、救急車を手配、救助隊に心筋梗塞と、心電図で心筋梗塞の兆候が見られ、隊員から
    医療関係の方ですか?いえ病気ついては知識がありました。病院の緊急処置室に、CTやMRIの所見から心筋梗塞と診断。カテーテル処置室に、局所麻酔の後カテーテル、意識はあり、手首の動脈から映像を見ながらの処置、結果鼻血が止まった後の血液のドロッとした塊を見せて頂きました。その後ICUに一晩経過観察。2周間の入院加療で退院。
    しかし、その後、1年から2年おきに狭心症や心筋梗塞に、
    その度に救急車のご厄介に、最近では左顔面の痺れと左手の痺れがあり、脳梗塞と判断又救急車のご厄介にMRIで進行型ラクナ脳梗塞と診断SCUに入院しました。
    この経験から自分の疾病についてしる事の大切さと早い決断が自らを救う事だと思います。
    又、MRIの所見で脳動脈瘤もわかりました。4ミリ程度の動脈瘤でした。脳出血は自ら救急車を呼ぶ事は難しいと思います。その時は虹の橋を渡るつもりです。

    • 齋藤成達
      • 齋藤成達
      • 2025.02.24

      虚血性心疾患や脳梗塞は一刻を争う病気ですが、知識を持ち、迅速な対応をされてきたことで、ご自身の命を守られてきたのですね。ご自身の経験を通じて「病気について知ることの大切さ」や「早い決断が命を救う」という大切な教訓を共有してくださったことに、深く感謝いたします。患者さんがご自身の体のサインを理解し、適切な行動を取ることは本当に重要なことですね。脳動脈瘤についてもご不安な点があるかもしれませんが、今後の経過をしっかりと見守りながら、できる限り穏やかに日々を過ごしていただければと思います。お体を大切にされ、どうか無理をなさらずにお過ごしください。心より健康とご多幸をお祈り申し上げます。