元プロレスラーで総合格闘家、現在はタレントとして活躍している高田延彦さん(62歳)が「発作性心房細動」を発症し、心臓手術を受けたことをSNSで発表しました。また、プロ野球界の名将、長嶋茂雄さんも同じ病気を経験し、脳梗塞の原因となったことが知られています。この記事では、心房細動の概要やその治療法、当院での取り組みについて解説します。
心房細動とは?
心房細動(しんぼうさいどう)は、心臓の不整脈の一種です。心臓は通常、規則正しいリズムで拍動していますが、心房細動では心房と呼ばれる部分が不規則に振動し、心臓全体が正常に拍動できなくなります。この不整脈により、血液が心房内で滞留しやすくなり、心臓のポンプ機能も低下します。
心房細動の種類
- 発作性心房細動:一時的に心房細動が発生し、1週間以内に自然に元に戻ることが多い。
- 持続性心房細動:自分では治まらず、治療が必要。
高田延彦さんが発症したのは「発作性心房細動」です。これは短期間で収まることもあるものの、心房細動が繰り返されると合併症のリスクが高まるため、早期治療が重要です。
その他の分類としては弁膜症の合併の有無に基づいて分類する方法もあります。
心房細動のリスクと合併症
心房細動の最大の問題は、心房内で血栓ができやすくなることです。心房内で血液が滞留し、血栓が形成されると、これが血流に乗って脳の血管を詰まらせ、脳梗塞を引き起こすことがあります。長嶋茂雄さんもこの病気が原因で脳梗塞を発症し、長期のリハビリを行っていることが知られています。
脳梗塞以外にも、心房細動は心不全や心筋梗塞など、他の重篤な心臓疾患のリスクを高めます。したがって、心房細動を早期に発見し、適切な治療を行うことが大切です。
心房細動の治療法:アブレーション治療とは?
心房細動の治療には、薬物療法やカテーテルアブレーションなどの方法があります。薬物療法では抗凝固療法が大切です。特に「アブレーション治療」は、根本的な治療として注目されています。
アブレーション治療とは?
アブレーション治療は、心房細動の原因となる異常な電気信号を発生させている箇所をカテーテルで特定し、その部分を高周波や冷却エネルギーで焼灼(しょうしゃく)することで、不整脈を改善する方法です。この治療によって、心臓が再び正常なリズムを取り戻すことが期待されます。
アブレーション治療は特に発作性心房細動の患者さんに有効で、成功率も高いことが報告されています。
当院での治療への取り組み
当院では、京都桂病院や三菱京都病院などの高度医療機関と連携し、アブレーション治療が必要な患者さんを速やかに紹介できる体制を整えています。不整脈や心房細動でお悩みの方は、当院での診察を通じて、最適な治療を提案させていただきます。
Apple Watchを活用した心房細動の早期検出
最新の技術として、Apple Watchが心房細動の早期検出に役立つツールとして注目されています。Apple Watchには心電図(ECG)機能が搭載されており、これにより心房細動の兆候を自宅でも簡単にチェックできるようになりました。
当院の取り組み
当院でもApple Watchを活用し、患者さんが日常的に心臓リズムをモニタリングできるようサポートしています。使用方法など不明点があれば気軽にご相談ください。Apple Watchで異常が見つかった場合は、速やかに当院での診断と治療を受けることが可能です。これにより、心房細動の早期発見と、脳梗塞などの合併症を予防することが期待できます。
心房細動の予防とセルフケア
心房細動の発症リスクを下げるためには、以下の生活習慣の改善が効果的です。
- 規則的な運動:軽度の有酸素運動が心臓の健康を保ちます。
- バランスの良い食事:塩分や脂肪の摂取を控え、心血管の健康をサポートします。
- ストレス管理:過度なストレスは不整脈の引き金になるため、リラクゼーションを心がけましょう。
- 禁煙・節酒:アルコールや喫煙は心臓への負担を増やすため、適度な摂取が推奨されます。
心房細動の早期発見と治療を行うことで、再発や合併症を予防し、健康的な生活を送ることができます。
まとめ
心房細動は、不整脈の中でも特に注意が必要な病気であり、高田延彦さんや長嶋茂雄さんも経験しています。脳梗塞や心不全といった重大な合併症を引き起こすリスクがあるため、早期の診断と治療が非常に重要です。アブレーション治療は、発作性心房細動に対する有効な治療法として知られており、またApple Watchを活用した心房細動の早期発見も注目されています。
当院では、最新の技術と専門医療機関との連携を通じて、患者さんに最適な治療を提供しています。心房細動や不整脈に関する不安がある方は、ぜひ当院にご相談ください。
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