最近、咳を訴える患者さんが増えており、ニュースでも大人の間で マイコプラズマ肺炎 が流行していると報じられています。当院ではマイコプラズマ肺炎の迅速な診断を可能にする イムノエース® マイコプラズマ 検査キットを導入いたしました。マイコプラズマ肺炎の特徴や、通常の風邪、コロナウイルス、インフルエンザとの違い、さらに各疾患の診断方法について解説してみます。
マイコプラズマ肺炎とは?
マイコプラズマ肺炎は、マイコプラズマ・ニューモニア(Mycoplasma pneumoniae) という細菌が引き起こす肺炎です。この細菌は非常に小さく、一般的な抗生物質が効きにくいのが特徴です。発症後は症状がゆっくり進行することが多いですが、適切な治療が行われないと重症化することがあります。
マイコプラズマ肺炎の主な症状
- 発熱:熱が断続的に上がったり下がったりします。
- 乾いた咳:痰を伴わない乾いた咳が特徴で、特に夜間に悪化します。
- 喉の痛み:軽い喉の痛みや違和感が続くことがあります。
- 頭痛と倦怠感:全身のだるさや頭痛が見られます。
- 胸痛:一部の患者では胸痛が生じることもあります。
通常の風邪、コロナウイルス、インフルエンザとの違い
通常の風邪 | コロナウイルス | インフルエンザ | マイコプラズマ肺炎 | |
---|---|---|---|---|
原因 | ウイルス(ライノウイルスなど) | SARS-CoV-2 | インフルエンザウイルス | マイコプラズマ・ニューモニア(細菌) |
発症速度 | ゆっくり | 2-14日 | 急速(1-2日) | ゆっくり |
主な症状 | 喉の痛み、鼻水、軽い咳 | 喉の痛み、発熱、咳、味覚・嗅覚の異常、倦怠感 | 高熱、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感 | 乾いた咳、発熱、喉の痛み、頭痛、胸痛 |
発熱 | 軽度または無い場合も多い | 中度~高熱 | 高熱(38度以上) | 断続的に熱が上がったり下がったりする |
咳 | 軽度~中度 | 乾いた咳、強い咳 | 乾いた咳、強い咳 | 乾いた咳(特に夜間に悪化) |
倦怠感 | 軽度 | 強い | 非常に強い | 軽度~中度 |
診断方法 | 症状に基づく対症療法 | PCR検査、抗原検査、抗体検査 | 抗原検査、PCR検査 | 迅速抗原検査、血液検査、画像検査 |
治療法 | 対症療法 | 対症療法、抗ウイルス薬(症状に応じて) | 抗インフルエンザ薬、対症療法 | 抗菌薬(マクロライド系など)、対症療法 |
マイコプラズマ肺炎は特に 乾いた咳 が特徴的で、風邪やインフルエンザとは異なり、症状が長引くことがあります。インフルエンザのように急速に高熱が出るのではなく、症状がゆっくりと進行し、夜間に咳がひどくなる傾向があります。
イムノエース® マイコプラズマ検査キットの特徴
イムノエース® マイコプラズマ は、咽頭ぬぐい液を使用して 5〜15分 で結果が得られる迅速診断キットです。このキットにより、患者様は素早く診断され、早期の治療を開始することができます。
まとめ
風邪やインフルエンザ、コロナウイルスとの違いを正確に理解することで、適切な診断と治療が行われます。当クリニックでは、迅速な診断をサポートするために イムノエース® マイコプラズマ検査キット を導入していますが、流行時には検査キットが不足することもあることをご了承ください。
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