女性自身での解説

このたび発売された 女性自身にて、上皇さまのご体調についてコメントをさせていただきました。
特に入院中に確認された「上室性不整脈」について、循環器内科医師の立場から解説いたしました。
2.上皇さまの病態について
上皇さまは現在91歳。
- 右心不全
- 無症候性心筋虚血(運動負荷により心筋への血流が不足するが自覚症状は乏しい状態)
といったご病気を背景に治療を続けられています。
今回の入院時に確認された「上室性不整脈」は脈拍が速くなるタイプの不整脈で、心房から通常より早い電気信号が出てしまうことで起こります。心不全や心筋虚血を悪化させないよう管理が必要です。上室性不整脈は、心臓の上の部屋である心房から生じる不整脈の一種です。多くは無症状で、治療の必要がない場合も少なくありませんが、症状がある場合や心臓に他の病気がある場合は治療の対象となることがあります。おそらく上皇様は右心不全もあり右心房などへ少し負担がかかっているものだと思われます。
上室性不整脈、心不全の治療には β遮断薬 が用いられることが多く、脈拍を抑え、心臓の負担を軽減することで症状の安定化を図ります。β遮断薬は、心臓の交感神経のβ受容体を遮断することで、心拍数を下げ、心臓の収縮を和らげるお薬です。これにより心臓の負担を軽減する効果があります。心不全の治療においては、カルベジロールやビソプロロールといったβ遮断薬が用いられることが多く、上皇さまの場合もこれらのいずれかが使用されている可能性が高いと考えられます。
3.上皇さまの健康をお祈りします
今回の報道からは、上皇さまが医師団の管理のもと、慎重に体調を整えながら生活されている様子がうかがえます。
ご高齢でありながら、積極的に運動を取り入れ、病気と向き合っておられる姿勢は、私たちにとって大きな励みとなります。
心より、上皇さまの一日も早いご快復と、健やかな日々をお祈り申し上げます。
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