疾患解説

7月1日は「AEDの日」。いざという時、あなたにも救える命

7月1日は「AEDの日」です。街中や駅、学校などで「AED」という装置を見かけたことがある方は多いのではないでしょうか。しかし、「自分にも使えるのだろうか?」「操作が難しそう」と感じている方も少なくないかもしれません。

この記事では、いざという時に大切な命を救うために、AEDとは何か、そしてその使い方について、分かりやすく解説します。

なぜ7月1日が「AEDの日」なの?

2004年7月1日、それまで医療従事者にしか認められていなかったAED(自動体外式除細動器)の一般市民による使用が、法的に認められました。この記念すべき日を忘れることなく、AEDの重要性を広く社会に伝え、誰もがためらうことなく使えるようにとの願いを込めて、7月1日を「AEDの日」と制定されました。

AEDって何? 命を救う「電気ショック」の装置

AEDは、Automated External Defibrillatorの略で、日本語では「自動体外式除細動器」といいます。

突然の心停止の多くは、心臓がブルブルと細かくけいれんし、全身に血液を送り出せなくなる「心室細動(しんしつさいどう)」という状態によって引き起こされます。この心臓の危険なけいれんを、電気ショックによって取り除き、正常な動きに戻すための医療機器がAEDです。

AEDは誰でも使える!勇気を出して使うための3ステップ

AEDの操作は非常に簡単です。電源を入れると、音声ガイダンスが次に何をすべきかを一つひとつ指示してくれます。落ち着いて音声の指示に従えば、誰でも操作することができます。

ステップ1:電源を入れる

  • まず、AED本体のふたを開けるか、電源ボタンを押します。ほとんどの機種は、ふたを開けると自動で電源が入ります。
  • 電源が入ると、大きな音声で使い方のアナウンスが始まります。

ステップ2:電極パッドを貼る

  • 袋を破って電極パッドを取り出します。
  • 倒れている人の衣服をはだけさせ、パッドに描かれているイラストの通りに、胸の右鎖骨下と左脇腹の2か所に、肌に直接しっかりと貼り付けます。
  • パッドを貼ると、AEDが自動的に心臓の状態を解析し始めます。「体に触れないでください」というアナウンスが流れたら、全員が傷病者から離れます。

ステップ3:電気ショックのボタンを押す

  • AEDが「電気ショックが必要です」と判断すると、アナウンスとともにショックボタンが点滅します。
  • 「ショックボタンを押してください」という指示が出たら、もう一度、誰も傷病者に触れていないことを確認してから、点滅しているショックボタンを力強く押します。

電気ショックの後も、救急隊が到着するまでAEDの指示に従い、胸骨圧迫(心臓マッサージ)を続けてください。AEDは、ショックが不要と判断した場合や、ショックを行った後も、胸骨圧迫のタイミングなどを音声でガイドしてくれます。

【動画で確認】AEDの使い方

実際の流れを動画で見てみましょう。東京消防庁が、AEDの使い方と胸骨圧迫を組み合わせた一連の救命処置を分かりやすく解説しています。

東京消防庁「いざという時のために!AEDの使い方」

AEDはどこにあるの?

AEDは、駅、空港、市役所、学校、商業施設、コンビニエンスストアなど、多くの人が集まる場所に設置されています。もちろん、当院にもAEDを設置しており、万が一の事態に備えています。

AEDは緑色やオレンジ色のケースに収納され、「AED」の文字とハートのマークが目印です。来院された際には、どこに設置されているかぜひ一度ご確認ください。

外出先などでAEDの場所を探す際には、下記のような検索サイトも便利です。

救命のバトンをつなぐために

目の前で人が倒れた時、救急車が到着するまでの数分間が、命を救うための非常に重要な時間です。

  1. 119番通報AEDの手配を周りの人に頼む
  2. 胸骨圧迫(心臓マッサージ)を始める
  3. AEDを使って電気ショックを行う

この行動をためらわずに行うことが「救命の連鎖」となり、尊い命を救うことにつながります。7月1日の「AEDの日」をきっかけに、AEDの使い方を再確認し、いざという時に勇気ある一歩を踏み出せるように備えましょう。あなたの一歩が、誰かの未来を救うかもしれません。

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