循環器内科ですと下腿の浮腫の方は良く受診されます。浮腫みの原因の1つにリンパ浮腫があります。生成系AIを用いて足や腕などがむくんでしまう「リンパ浮腫」と、その他の原因で起こるむくみとの違いについて、分かりやすくまとめてもらいました。
むくみとは何か?
「むくみ」は医学的には「浮腫(ふしゅ)」と呼ばれます。
皮膚の下に余分な水分やたんぱく質がたまり、手足や顔が腫れぼったくなる状態です。
一言で「むくみ」といっても、その原因はさまざまで、それによって治療の方法もまったく変わります。
リンパ浮腫とは?
リンパ浮腫は、リンパの流れが滞ることで、主に腕や脚に起こるむくみです。
特に乳がんや子宮がんなどでリンパ節を切除した方に多く見られます。
🔍特徴
- 初期はやわらかく、押すと凹む(圧痕性)
- 時間が経つと皮膚が硬くなり、押してもへこまない(非圧痕性)
- 手足の皮膚が厚くなる
- 片側だけに出ることが多い
- 「Stemmer徴候」(足指の付け根をつまめない)が陽性
心不全によるむくみとは?
心不全とは、心臓のポンプ機能が低下して、全身に十分な血液を送れなくなる状態です。
その結果、血液の流れが滞り、足などに水分がたまりやすくなります。
🔍特徴
- 両足が同じようにむくむ(対称性)
- 押すと凹みが残る(圧痕性)
- 体重増加、息切れ、疲れやすさを伴う
- 症状が夕方に悪化することが多い
圧痕性?非圧痕性?むくみを見分けるポイント
用語 | 説明 | 主な病気例 |
---|---|---|
圧痕性浮腫(pitting edema) | 指で押すとへこみが残るむくみ。水分が皮下にたまりやすい。 | 心不全、腎不全、静脈うっ滞など |
非圧痕性浮腫(non-pitting edema) | 指で押してもへこまない。皮膚や組織が硬く変化している。 | リンパ浮腫、脂肪性浮腫、甲状腺機能低下症など |
✅ **「non-pitting」は“押しても戻る”ではなく、“押しても凹まない”**ことを意味します。
組織が線維化しているため、指の圧力に反応しないのが特徴です。
むくみの原因は他にもあります
以下のように、むくみには多くのタイプがあります。
むくみのタイプ | 原因 | 特徴 |
---|---|---|
静脈性浮腫 | 血流の滞り(静脈瘤や血栓など) | 足のむくみ、片足が腫れる、痛みを伴うことも |
腎性浮腫 | 腎臓機能の低下 | 顔やまぶた、全身が腫れる |
薬剤性浮腫 | 一部の血圧の薬や痛み止め | 両足に出やすい、薬の中止で改善することも |
脂肪性浮腫(リポデーマ) | 脂肪の異常沈着(主に女性) | 太ももやお尻、左右対称、足先はむくまない、触ると痛い |
むくみは体からの大切なサイン
- 「片足だけがむくんでいる」
- 「むくみが硬くなってきた」
- 「押してもへこまない」
- 「むくみと同時に息切れや疲れがある」
このような症状は、体からのサインかもしれません。
放っておかず、できるだけ早く医師にご相談ください。
当院でできること
当院では、以下のようなサポートを行っています。
- 心不全や腎臓病によるむくみの評価
- 血栓や静脈の異常のエコー検査
- リンパ浮腫に対する保存療法やセルフケア指導
まとめ
足のむくみは、日常でよくある体調変化のように思えますが、その背景には重大な病気が隠れていることもあります。
特にリンパ浮腫は、進行する前に気づいて対処することで、生活の質を大きく保つことができます。
気になるむくみがある方は、ぜひ一度ご相談ください。
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