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WEB講演会”GLP-1受容体関連薬を臨機応変に使いこなす~セマグルチドの至適症例~”に参加しました


本日の昼休みに、岡本内科クリニックの院長・岡本亜紀先生によるWEB講演会に参加しました。テーマは、近年注目を集めている「GLP-1受容体作動薬」について。実際の診療現場での活用法や、今後の可能性について、多くのヒントをいただける内容でした。

当院外来でも、「薬を増やしたくない」「インスリンは避けたい」「体重も気になっている」という声をよく耳にします。今回の講演は、そうした悩みを抱える患者さんにとって、まさに新しい選択肢となる情報ばかりでしたので、この場を借りてわかりやすくご紹介したいと思います。


GLP-1というホルモンは、私たちの体の中で自然に分泌され、血糖値を調整する大切な役割を果たしています。薬としてこの働きを高めるのが「GLP-1受容体作動薬」です。血糖を下げるインスリンの分泌を助けるだけでなく、血糖を上げるホルモン(グルカゴン)を抑え、さらに脳に作用して食欲を自然に抑える効果もあるという、まさに多方面から糖尿病にアプローチする薬です。

さらに注目すべきは、体重の減少を促す効果や、心臓・腎臓を守る働きも期待されていることです。実際に、HbA1c(血糖の長期的な指標)が改善しただけでなく、平均して4kg以上体重が減少したというデータも示されていました。また「FLOW試験」という大規模な研究では、腎機能の低下を抑えたり、心血管イベントのリスクを下げたりする効果も確認されており、まさに「血糖以上の価値」がある薬だと感じました。

現在、このGLP-1薬には「注射タイプ」と「飲み薬タイプ」の2種類があります。注射と聞くと身構えてしまう方もいるかもしれませんが、講演では「画鋲やスタンプのような感覚です」といった説明を行うことで、患者さんの不安を和らげているというお話がありました。一方、飲み薬タイプには、空腹時にコップ1杯の水で飲み、30分間飲食を避けるなど、少し工夫が必要です。ですが、その手間に見合う効果を実感している方も多く、当院でもすでに複数の患者さんにご案内しています。

また、GLP-1薬は「インスリン分泌力がある程度残っている」ことが使用の前提にはなりますが、肥満を伴う2型糖尿病の方や、他の治療で十分な改善がみられない方、過去に心臓病や脳卒中を経験された方には、特に適した治療となる可能性があります。実際に、岡本先生のクリニックでも多くの患者さんがこの薬で効果を実感されているとのことでした。

治療というのは、薬を処方して終わりではなく、その後の反応をしっかり見ていくことが大切です。講演でも、治療開始後は3~4ヶ月ごとにHbA1Cや体重、腎機能の変化を確認し、状況に応じて治療方針を調整していくという基本が強調されていました。

患者さんの生活スタイルや食習慣、体調の変化にあわせて、薬の使い方も柔軟に対応することが求められます。当院でも、飲み方の指導や不安を和らげる説明、検査データのチェックを丁寧に行いながら、一人ひとりに合った治療を一緒に考えていきたいと思います。GLP-1受容体作動薬について気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。薬の選び方や効果の出方について、わかりやすくお話しいたします。

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