気温が低下すると、体は熱を逃がさないように血管を収縮させ、これにより血圧が上昇します。特に冬の時期は、心筋梗塞や脳卒中といった心血管疾患のリスクが高まります。この現象を「気温感受性高血圧」と呼び、寒暖差が大きいとリスクはさらに増大します。室内外の温度差が大きい場合には「ヒートショック」も起こり、血圧の急激な変動が心血管系に負担をかけることがあります(1)。
冬場の血圧管理のポイント
- 暖房管理:部屋全体を均等に暖め、特に足元を冷やさないことが大切です。寒さで足元が冷えると、血圧がさらに上昇しやすくなります。
- 定期的な血圧測定:冬場は血圧が上がりやすいため、特に朝の血圧を測定し、モーニングサージ(起床後の急激な血圧上昇)をチェックしましょう。
- ICTを使った管理:血圧をリアルタイムでモニタリングできるICT技術を活用し、医師と連携することで、心血管イベントのリスクを予防できます。
季節による血圧の変動とリスク
春から夏にかけては血圧が下がり、秋から冬には血圧が上昇します。特に冬場は心筋梗塞や脳卒中の発症リスクが高まります(2)。血圧が急上昇する「モーニングサージ」も冬季に増強され、特に朝方のリスクが大きくなります。
予防対策と生活習慣
寒い季節には、室温管理や塩分控えめの食事、定期的な運動が重要です。また、外出時には暖かい服装を心がけ、急激な温度変化を避けることが必要です。
まとめ
気温の変化、特に寒い時期には血圧が上昇しやすく、心血管疾患のリスクが高まります。寒さを避け、定期的な血圧管理とICTを活用することで、健康リスクを最小限に抑えましょう。
参考文献
- Gepts E. et al. Seasonal Blood Pressure Variation. American Journal of Hypertension. 2020;33(7):595–602.
- Narita K, et al. Seasonal Variation in Home Blood Pressure. Hypertension. 2021;78(5):1330-1337.
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