秋が深まり、インフルエンザの流行シーズンが近づいてきました。当院では、例年のインフルエンザ予防接種に加えて、新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種も同時に開始しています。両方のワクチンを同時に接種することも可能ですので、ご希望の方はお気軽にご相談ください。今回は、インフルエンザと新型コロナワクチン接種の重要性についてご案内いたします。
インフルエンザとは?
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる感染症です。38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身症状が急激に現れ、のどの痛みや咳など風邪に似た症状も伴います。多くの方は1週間程度で回復しますが、特に高齢者や基礎疾患を持つ方は重症化しやすく、肺炎や急性脳症などの合併症を引き起こすリスクがあります。
インフルエンザワクチンの効果
インフルエンザワクチンは、感染そのものを完全に防ぐわけではありませんが、発症や重症化を防ぐ効果があります。特に65歳以上の高齢者において、ワクチン接種によって発病率が34~55%減少し、死亡率を82%も低下させることが確認されています(1)。また、6歳未満の小児でも発病防止に60%の有効率があると報告されています(2)。
新型コロナウイルスワクチンとの同時接種について
現在、当院では新型コロナワクチンの接種も行っています。京都市においても、令和6年度の高齢者向け新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの定期予防接種が同時に実施されており、同時接種が可能です。両方のワクチンを同時に接種することで、時間や手間を節約し、より早く予防効果を得られるメリットがあります、ご希望の方は事前にご相談ください。
京都市における高齢者のインフルエンザ/新型コロナウイルスワクチン定期予防接種
接種期間:
令和6年10月15日(火)から令和7年1月31日(金)まで
対象者:
- 65歳以上の京都市民
- 60〜64歳で心臓、腎臓、呼吸器の機能に重篤な障害がある、または免疫不全のある方
接種料金:
- 75歳以上:インフルエンザ1,000円、新型コロナワクチン2,000円
- 74歳以下:インフルエンザ1,500円、新型コロナワクチン3,000円
- 生活保護受給者等:無料(証明書の提示が必要です)
ワクチン接種の安全性と副反応
インフルエンザワクチンは安全性が高く、副反応として接種部位の赤みや腫れ、軽い痛みが10~20%の方に見られることがあります。また、発熱や倦怠感などの全身症状が5~10%の方に見られますが、いずれも数日で治まります。新型コロナワクチンも同様に安全性が確認されていますが、接種後は30分間院内で待機し、異常があればすぐに医師に相談してください。
まとめ
インフルエンザや新型コロナウイルス感染症は、特に高齢者や基礎疾患を持つ方にとって重症化しやすい感染症です。両方のワクチンを接種することで、これらのリスクを大幅に軽減できます。京都市では高齢者向けの定期接種が実施されていますので、対象の方は早めにご予約ください。また、感染対策として手洗いやマスクの着用を引き続き徹底し、健康な冬を迎えましょう。
参考文献
- 神谷齊. インフルエンザワクチンの効果に関する研究. 厚生労働科学研究費補助金. 1999.
- 廣田良夫. ワクチンの有効性・安全性評価とVPD対策に関する分析疫学研究. 厚生労働行政推進調査事業費補助金. 2016.
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