こんにちは、桂川さいとう内科循環器クリニック院長です。痛風や高尿酸血症の治療に関する質問の中で、「痛風発作時に尿酸降下薬を中止すべきか?」という質問をされることがありました。今回は、この問いについて、循環器疾患との関連も踏まえながら詳しく解説いたします。
結論:痛風発作時でも尿酸降下薬は継続すべき
循環器専門医の視点からお伝えしますが、痛風発作時に尿酸降下薬を中止すべきではありません。むしろ、すでに治療を開始している場合は薬を継続することが強く推奨されます。研究でも、尿酸降下薬を中断することで痛風発作のリスクが増加することが報告されており、継続することで尿酸値のコントロールが向上し、長期的には発作の頻度が低下することが明らかになっています。
なぜ継続が重要なのか? – 循環器疾患との関連も含めて
- 尿酸値の安定化
尿酸降下薬を急に中止すると、尿酸値が急上昇し、痛風発作が悪化するリスクが高まります。尿酸値の安定化は痛風の管理に重要であり、特に高尿酸血症は高血圧や動脈硬化といった循環器疾患のリスク因子とも関連しています。 - 長期的な健康管理
高尿酸血症は心血管疾患のリスクを高めることが知られており、尿酸値を適切にコントロールすることが、痛風だけでなく、心臓病や脳卒中の予防にも繋がります。尿酸降下薬を継続することで、循環器系への影響を最小限に抑えることができます。 - 発作頻度と合併症の予防
継続的な尿酸降下薬の使用は、発作の頻度を減少させ、さらには循環器疾患の合併症リスクも低減することが確認されています。長期的な尿酸管理が発作の再発を抑えることが可能です。
新規開始は慎重に – 発作時には注意
一方で、痛風発作中に新たに尿酸降下薬を開始することにはリスクがあります。発作の最中に尿酸値を急速に低下させると、既存の尿酸結晶が崩れ、新たな発作を引き起こす可能性があるからです。したがって、痛風発作中の新規治療開始は慎重に行うべきです。
桂川さいとう内科循環器クリニックでの治療方針
- 総合的な健康管理
当クリニックでは、痛風や高尿酸血症を循環器疾患リスクの一部として考慮し、総合的な健康管理を行っています。 - 既存の尿酸降下薬は継続
すでに尿酸降下薬を服用している場合は、発作時でも継続していただくよう指導しています。 - 急性期治療
痛風発作時には非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などで痛みと炎症を軽減し、循環器系への影響を慎重に観察します。 - 個別化された治療計画
患者さん一人ひとりの病歴や生活習慣に基づいて、痛風と循環器疾患を包括的に管理する治療プランを提供しています。
患者さんへのアドバイス
- 自己判断で薬を中止しない
痛風発作が起きても、自己判断で尿酸降下薬を中止せず、医師に相談してください。特に循環器疾患をお持ちの方は、薬の中断がさらなるリスクを伴うことがあります。 - 生活習慣の改善
適切な薬物療法に加えて、バランスの取れた食事や適度な運動が痛風や循環器疾患の予防に効果的です。 - 定期的な受診と検査
症状がなくても定期的に尿酸値や血圧のチェックを行い、総合的な健康管理を続けることが重要です。
まとめ
痛風発作時に尿酸降下薬を中止することは推奨されていません。むしろ継続することで、発作の頻度を抑え、長期的には循環器疾患のリスクを減少させることが可能です。ただし、治療は個々の患者さんに応じて調整が必要ですので、疑問がある場合はご相談ください。
桂川さいとう内科循環器クリニックでは、痛風や高尿酸血症、さらには循環器疾患の予防に向けた総合的なサポートを提供しています。
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