治療薬

葉加瀬太郎さんが公表した「ラムゼイハント症候群」とは?

当院でも帯状疱疹の患者さんはしばしば来られており、昨日患者さんから葉加瀬太郎さんのことを教えてもらいました。葉加瀬太郎さんは有名なバイオリニストですが、最近「ラムゼイハント症候群」に罹患していることを明かしました。この病気は、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)が原因で発症するものです。特に顔面神経麻痺を引き起こし、顔の片側が動かなくなることがあります。

ラムゼイハント症候群とは?

ラムゼイハント症候群は、水痘(みずぼうそう)を引き起こす水痘帯状疱疹ウイルスが体内に潜伏し、免疫力の低下によって再活性化することで発症します。一般的な帯状疱疹が体の左右どちらかに帯状の皮膚症状を出すのに対し、ラムゼイハント症候群は主に耳や顔に症状が現れます。

具体的には、以下のような特徴があります:

  • 顔面神経麻痺:片側の顔が動かなくなる症状。
  • 耳の痛みや水疱:耳の周囲や耳の中に水ぶくれができ、痛みを伴います。
  • 難聴や耳鳴り:耳が聞こえにくくなったり、耳鳴りがすることがあります。
  • めまい:体のバランスを崩しやすくなることもあります。

通常の帯状疱疹との違い

通常の帯状疱疹は、体幹部や四肢に帯状の皮膚発疹が現れる病気で、痛みやかゆみを伴いますが、ラムゼイハント症候群は顔や耳の神経を侵すため、顔面神経麻痺や聴覚障害といった特徴的な症状が出ます。また、早期治療が遅れると、麻痺や聴覚の回復が困難になることがあるため、迅速な対応が必要です。

治療法

ラムゼイハント症候群の治療では、抗ウイルス薬ステロイド薬が用いられます。特に発症から72時間以内に治療を始めることで、顔面神経麻痺の回復率が高まるとされています。帯状疱疹と同様に、免疫力が低下した際に発症するリスクがあるため、予防接種も考慮することが大切です。

葉加瀬太郎さんの回復と今後

葉加瀬太郎さんは、左半分の顔面麻痺を感じた後、病院でラムゼイハント症候群と診断され、現在、抗ウイルス薬とステロイドによる治療を受けています。完治には半年以上かかる可能性がありますが、彼は全国ツアーを予定通り決行し、音楽活動を続けておられるようです。

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