国内で小規模なアウトブレイクが確認
現在、日本では茨城県と東京で麻疹の小規模なアウトブレイクが確認されています。新型コロナウイルス感染症のパンデミック前の水準に移入・移出が戻りつつある現在、この状況はより緊急性を帯びています。最近確認された4件の症例は、麻疹がどれほど感染力が強いかを示すもので、短時間の新幹線での移動中に見知らぬ人々の間で感染が広がったと見られています。また、4例全ての患者は30~40代の成人で、麻疹ワクチンの接種歴がないとの記録があります。
*最新のニュース(5月30日付、読売新聞)では感染者は12人となっており、すでに昨年1年間の感染者数を超えているようです。
麻疹について
麻疹はウイルス性の感染症で、せきやくしゃみをすることで放出された粒子にウイルスが含まれ、それを吸い込むことで感染します。空気感染のほか、飛まつや接触を通じて広がることもあります。感染力は極めて強く、免疫がない場合、感染者と同じ室内にいただけで、ほぼ確実に感染するとされています。また、同じ場所に数分間、短い時間一緒にいるだけで感染してしまう可能性があると指摘されています。麻疹は発症すると高熱や発疹といった症状を呈します。さらに、肺炎や脳炎などの重篤な急性の合併症を引き起こすことがあり、1000人に1人の感染者が死亡すると言われています。
ワクチンについて
麻疹の予防にはワクチン接種が最も有効です。麻疹は感染力が強く、空気感染するため、手洗いやマスクだけでは予防できません。麻疹に接触した場合、72時間以内にワクチンを接種することで、発症を予防できる可能性があります。また、麻疹の罹患歴がなく、2回の予防接種歴が明らかでない場合は、予防接種を検討することを推奨します。また抗体検査を行うことで麻疹にかかったことがあるかどうかを調べることもできます。麻疹になった記憶がない方、ワクチンを打ったかどうかはっきりしない方は一度抗体検査、もしくはワクチン接種をご検討ください。
当院での抗体検査、ワクチン接種の費用について
- 抗体検査 3000円
- 麻疹ワクチン接種 5000円
- MR(麻疹・風疹混合)ワクチン 10000円
となっております。
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