新型コロナウイルスの最新情報
当初は治療薬が無かった新型コロナウイルス感染症も徐々に治療薬が出てきています。2023年9月現在、国内で使用可能な治療薬は、
- ゾコーバ®(エンシトレルビル フマル酸)
- ラゲブリオ®(モルヌピラビル)
- パキロビッド®(ニルマトレルビル・リトナビル)
- 中和抗体薬(ソトロビマブ・カシリビマブ/イムデビマブ)
- レムデシビル
があります。当院ではゾコーバ、ラゲブリオ、パキロビッドの3種類を患者さんの重症化危険因子から判断して処方しています。厚生労働省が定期的にアップデートしている”新型コロナウイルス感染症診療の手引き 第10版”では抗ウイルス剤の使い分けは下記のようになっています。
当院で使用できる抗ウイルス剤3種類の特徴は
- ゾコーバ®:重症化リスクがなくても使えます。副作用が少ないのも特徴。他の薬と飲み合わせがあります。症状がある期間を短縮します。
- ラゲブリオ®:他の薬の飲み合わせが少ない、重症化予防効果も30%減が認められる。重症化リスクが高い人に使用します。パキロビッド®よりは重症化予防効果が少ないとされます。
- パキロビッド®:重症化予防効果が最も高いと報告されています(88%減)。妊娠中期以降であれば投与可能です。重症化リスクが高い人に使用、併用できない薬があります。
となっています。患者さんに合わせて処方しています。ただし重症化リスクの低い軽症の患者さんでは,特別な医療によらなくても,経過観察のみで自然に軽快することが多いです。